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連載【セルフプロデュース】電通ビジネスデザイナーに学ぶ、「あなたらしい戦略」への道筋


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さまざまな視点
今春本学でスタートしたのは、全国でもめずらしい「演奏領域におけるセルフプロデュース」を学べる特別講義。各界のトップランナーから、自分の表現をしっかりと周りの人に伝えていくためのノウハウを学んでいます。コピーライターとしての業務経験もある、株式会社電通のビジネスデザイナー・越澤太郎さんを迎えた今回のテーマは「あなたらしい戦略を持とう」です。
- Topics -

3つの視点から強みを探る

越澤太郎さん

株式会社電通 BXデザイン局 ビジネスデザイン2部部長として企業の事業戦略に携わる越澤さん。今回2つのポイントから講義が進められました。

 ・セルフ =自分って何?〔戦略〕
 ・プロデュース =伝えるには?〔戦術〕

年齢も肩書もさまざまな受講者を前に、「私たちは企業の戦略を考える際、はじめに企業の強み(特徴)を捉えることから始めます。これはある方から教わった見方ですが、BTCの3つの視点が役立ちます。『B』ビジネスの仕組み、『T』技術、『C』お客様の体験、です。例えば『任天堂』はゲームウォッチやファミコン、Switchなど時代ごとにヒットを生み出してきましたが、その背景にはBTCの進化があったと思います」と越澤さん。

BTCの視点を持って強みを探り、何を提供できるか明確になれば、ライバルとの差別化につながっていきます。

自分らしい戦略はBTCの視点で整理を、と越澤さん

「この視点は企業だけなく、個人にも応用できると考えています。…たとえば皆さんと馴染みの深い『音楽教室』の場合、BTCはどのように考えられるでしょうか」という越澤さんの問いに、皆さんならどんな答えが浮かびますか?

「区分け」して物事をみると、戦略がみえてくる

続いて、シンプルながら興味深いワークが提示されました。

お題:「スターバックスのお客さんを2種類に分けてみる」

昼利用 ⇔ 夜利用
イートイン ⇔ テイクアウト
一人利用 ⇔ 複数利用
仕事をする人 ⇔ しない人
店頭決済 ⇔ モバイルオーダー
日本人 ⇔ 外国人 …


受講者が考えたさまざまな分け方を確認しながら、「これは物事を区分けして考える訓練のひとつ。もし一方に偏りがあるなら、そこが戦略を立てるポイントとなります。区分けして物事をみると、やるべきことがみえてくる」と、ひとつのヒントが示されました。

「スターバックス」のワークに取り組む

どう伝えるかより、何を伝えるか?

そして、気になる「うまく伝える」方法について。伝え方には

「何を伝えるか」=構造化
「どう伝えるか」=感性

というふたつの側面があり、最も大切なのは「何を伝えるか」(構造化)の部分、と越澤さん。

ここでスライドに映しだされたのは、越澤さんが手掛けた「マスターズ甲子園」のビジュアルの数々。非常に印象的なキャッチコピーが並ぶなか、どれも単純な思いつきではなく、#選手 #甲子園 #現役時代 #仲間 といったイベントの核となる要素を構造化して「何を伝えるか」を整理したものだと説明しました。

リデザインされた「マスターズ甲子園」ポスター(右側)

どのように伝えるかは細かな言葉の選び方など感性の部分で、個々のセンスに左右されるかもしれません。けれど重要なのは、まず何を伝えるか(構造化)です。思いつきに頼らず、何を伝えれば受け手に響くのかを想像し続けると、どんな人でも構造化は上手になりますよ」と越澤さん。自分の強み(特徴)がどんなメリットになるかを想像し、相手の視点に立って細部まで考え抜くことの大切さを強調しました。
「言葉のセンス、感性を磨くコツは?」という質問には、「メーカーの商品に携わったなら企画者目線に加えて、一消費者の感覚で商品を見ますし、プレゼンのスライドショーなら、相手の視線をどうスムーズに誘導するか?メールの返信なら、ここは漢字かひらがなか?まで、相手がどんな印象を受けるのかを常に想像しています。言葉って怖いですから」。隅々に張り巡らされたプロ意識が垣間見えました。

シンプルで見やすい資料にもヒントが

越澤太郎さん

越澤 太郎
〔株式会社電通 BXデザイン局 ビジネスデザイン2部 部長/ビジネスデザイナー〕2001年電通入社。コピーライターとして2005年の自民党郵政解散総選挙「改革を止めるな」キャンペーンや、アパレルブランドGUのブランディング、トヨタ・グローバルビジョン策定や2012年IMF世銀総会の総合プロデュースなどを担当。2009年に広告領域以外での顧客貢献を模索するビジネスデザインラボに所属。2016年より顧客企業の事業・業務変革、新製品・サービス開発、投資分析などのコンサルティング業務に従事。