概要
ミュージッククリエーション専攻の概要
さて。ここからは、あなたとわたしの話です。「音楽家として生きていく」と言ったときに、笑われた経験はありませんか?そんなの夢だという人もいるでしょう。私もそうでした。私自身、20代前半まではバンド活動をしながら大工で生計を立てていました。我流で曲も創っていましたが、作曲法や音楽理論をゼロから学んだ方が、自分の求める音楽に早くたどり着けることに気付き、ポケットに楽典を突っ込んで、大工仕事の合間に受験勉強。26歳で大阪音楽大学に入りました。これまで感覚でやってきたものが、何百年もの歴史があるクラシックの音楽理論と紐づく実感は面白く、作曲家として生きていくための太い根っこと翼を得ました。ただ、そこから音楽をシゴトにするにあたり、「音楽大学」から「音楽業界」へのリンクが見当たらなかった。
「音楽業界を、音楽大学から変えていく」。そんな想いから、私は志を同じくする同世代の音楽クリエイターたちと共に、2016年、大阪音楽大学に「ミュージッククリエーション専攻」を新設しました。大学はプロダクションであり、教室はオフィス、教材は、私たちが音楽家として重ねてきた失敗や成功、挫折なども含めた経験のすべて、です。遠まわりをしてきたぶん、最短距離でプロになる方法を私たちは知っています。さあ、ここで大好きな音楽を一生の仕事にしていきましょう。
カリキュラム
現代の音楽クリエイターに求められる知識と技術を体系的に学ぶ、超実践的カリキュラム
学びの主軸となるのは「ポピュラーソング・コンポジション」「マーケティング・サウンド・コンポジション」「フィルム・スコアリング」「ベーシック・コンポジション」の4科目。現代ポピュラーミュージック・シーンで活躍するための作編曲技術を、DAWベースの制作実践やスタジオ・レコーディング実習を通して学び、プロとしての心構えや創造性を育みます。
この『主要4科目』と連携する『技術強化科目』では、効率的に作編曲技術を修得するために必要な音楽スキルを身に付け、クリエイターとしての礎を築きます。
卒業後のキャリアデザインと将来像実現に向けた『キャリア推進科目』も1年次から設置。ライフステージの各段階で活躍し続けるために不可欠な知識を蓄え、実社会へと視野を拡げます。また、音楽プロダクション「大音ラボ」のプロジェクトに参加して実際の現場から学ぶこともできる、体系的かつ超実践的なカリキュラムを編成しています。
学内から学外へ、着実に実社会へと巣立つための4年間のビジョン
1年次は主に専門教育科目をメインに研鑽を深めますが、Cr専攻での学びは授業だけではありません。“楽曲コンペ”をシミュレーションした「専攻内コンペティション」(竜王戦・Golden Egg賞)や、音楽系企業へ自作品をプレゼンテーションする「プロモ・フェス」等、学外での音楽活動に備えた経験値も、専攻独自のメソッドでしっかりとサポート。4年次には、自身のクリエイターとしての個性や魅力を詰め込んだ『セルフプロデュース・アルバム』を卒業作品として作り上げ、音楽賞『Music Creation Awards』の舞台で披露。在学中に音楽業界へ仕掛ける最後のプレゼンテーションに臨みます。専攻内で学び得た総力を活かして段階的に学外の音楽活動を増やし、着実に実社会へと移行していくのが、Cr専攻が描く音楽活動イメージです。
「歌モノ」と呼ばれるポピュラーソングの作曲技法を学びます。DAW上でのDemo制作を繰りかえしながら徐々にレベルアップ!Pop、Rock、R&B、EDM、HipHopなど様々なジャンルに挑戦しながら、幅広いオーダーに応えられるスキルを身に付けます。
TVCMやWeb動画、イベントやパブリック空間など、特殊な条件での音楽制作が必要となるシチュエーションは数多く存在します。そのようなビジネス・マーケティングに関わる音楽制作について、ポイントをおさえながら、実践的に学習します。
音楽が入っていない状態の実際の映画に対し、物語を効果的に演出できる音楽の位置を考え、それに沿った劇音楽を作曲します。音楽によって映像の印象が変わる事を理解し、監督のイメージに「音」でいかに応えるかを学びます。
あらゆるジャンルに応用できる「クラシック音楽」の作曲技法を学びます。楽曲の深みが増すアレンジパターンを知り、依頼者からの細かな楽器指定、急なアレンジ依頼にも柔軟に対応できる力を蓄えます。将来の飛躍には欠かせない、作曲の基礎づくりです。
業界標準ソフト「Pro Tools」の操作を基礎から学び、Macベースでの音楽制作のスタートアップから発展的な操作技術まで、幅広く習得します。
ポピュラー・ミュージックの制作において、サウンドメイキングの根幹となる『4リズム』(ドラム/ベース/ギター/キーボード)。それぞれの特性や役割を演奏技術と併せて学びます。
歌モノ作曲のために解っておきたい歌唱技術や、作曲された曲に歌入れする際のディレクション能力。さらに、音楽を人の心に届けるための表現力を、自らが歌うことで学んでいきます。
様々なスタイルの楽曲の分析やリハーモナイズの実践を通してコード感覚を養い、ポピュラー・ミュージックで実際に用いられる“活きたコード・プログレッション”を習得します。
音楽に限らず、業界の第一線で活躍するゲスト講師を招き、トークセッション形式の授業を行います。業界の仕組み、常識を打ち砕くアプローチやアイデア、仕事に対する誠実さなど、ダイレクトに接しないと学べないことばかり。皆さんの頭をグニャグニャにします。