留学体験記 -test
フォルクヴァング芸術大学(2019年秋学期留学)
西野 きららさん
ピアノ専攻 ピアノ演奏家特別コース
留学の動機・目的・準備は?
先輩の留学先での話を聞いて憧れ、多くの作曲家が生まれたドイツで学び、現在も盛んな芸術文化に触れてみたいと思いました。本場の音楽・文化・空気感すべてを経験し、自分の音楽に対する考え方を成長させたいと思いました。準備は留学へ行く1年前から始め、ゲーテインスティテユートに1年間通い、A1レベルを取得して留学に臨み、帰国後にはB1を取得しました。
どんな授業だった?
個人レッスン・合唱・音楽理論・音楽史・室内楽・ドイツ語を受講しました。個人レッスンでは、月に1度弾き合い会があるので、他の学生たちの演奏からも刺激を受けました。合唱は教会でのクリスマスコンサートに参加、室内楽はヴァイオリンとチェロとピアノトリオの授業を受けました。ドイツ語での講義は難しいものの、理論や音楽史はとても興味深い内容でした。留学生向けのドイツ語の授業は、時事ネタやテーマをディスカッションする形式のもので、会話力が上がりました。
印象に残っていることは?
街並みが絵のように美しく、豊かな自然・川が生み出す絶景に心を癒されました。日本にはない景色で、かつての作曲家たちもこのような景色をみていたのだろうなと想像しながら練習に励み、授業を受けることができました。空気が乾燥して澄んでいるので、ピアノを弾いた音がとてもよく響きます。クラスコンサートに出演し、一般の方にも演奏を聴いていただけてとても嬉しかったです。
今後の目標は?
自分の音楽をよりよいものにするために、先生や他の学生と一緒に考察し、さらに向上させるためにどうすればよいかを考えるという音楽に対する向き合い方にとても感銘を受けました。留学先の大学の授業、様々な作曲家の博物館で学んだこと、ドイツで生活する中で感じ取ったことを表現し、演奏を通して発信できるようになりたいです。
啓明大学校(2022年春学期留学)
古川 千鶴さん
ミュージックコミュニケーション専攻
留学の動機・目的・準備は?
K-POPに興味があり、現地の音楽文化を感じるために、休学して語学堂(語学学校)に通おうと相談に行ったところ、国際交流デスクから韓国の提携校で勉強するのはどうかとアドバイスしてもらいました。語学だけでなく、専門分野をより深く学べるチャンスを活かしたいと思い、提携校留学に応募しました。語学については常日頃から学習しており、留学前にTOPIK2級を取得して留学に臨みました(自分なりに勉強していったつもりでしたが、他の留学生の韓国語のレベルが高くて驚きました)。
どんな授業だった?
テレビ番組の制作(スタジオカメラの操作・照明/音響制作・コントロールルームの装備の運用・プログラム制作)の準備など、スタジオ制作全般のメカニズムを学ぶ科目や、韓日両国の詩歌・文学について人文的感性と文化的要素を育む科目を受講しました。本来は在学生向けの授業ですが、教授に直談判して受講できる機会を得ました。留学生向けは基本的に英語での授業で、テコンドーやダンスなど含めたあらゆる分野の科目が受講できます。私は韓国語での受講を希望していたので、前述の在学生向けの授業に加え、韓国語文法に関する知識と共に論文レベルの作文を学ぶ韓国語作文、時事的な内容を題材にした、韓国社会に対する全体的な理解を深める時事韓国語を受講しました。いずれの授業も、予習復習に授業時間以上の時間をかけて勉強しました。
印象に残っていることは?
1番印象に残っているのは3日に渡って開催された学園祭です。ラッパー・アイドルなど国内外で活躍している有名な韓国のアーティストのライブが行われ、2万人近くが来場しました。日本の大学の学祭とは規模が違い、こだわりを感じられるその演出は、学生の域を超え、一般のフェスに匹敵するほどのものでした。学祭を通じて、学生とさらに友情を深めることができ、また、人々の音楽との向き合い方や運営の仕方などを学べたことは、今後のイベント企画運営において非常に参考になり、帰国後の本学での学びに繋げることができました。
今後の目標は?
最終目標は、韓国のエンタメ業界で仕事をすることです。そのために、まずはこの留学で培った語学力や、多角的な考え方、想いを伝える行動力を活かして、日本のアーティストたちが世界に飛び立てる環境作りに携わり、日本の音楽業界の発展に貢献したいと思っています。
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王立ウェールズ音楽演劇大学(2022年秋学期留学)
中村 心咲さん
ピアノ専攻 ピアノ演奏家特別コース
留学の動機・目的・準備は?
入学前から提携校留学したいと考えており、1年生の後期に国際交流デスクに相談に行きました。聴く人の心に響き、面白いと感じてもらえる音楽を奏でるためには表現力を磨くことが必要不可欠で、そのためには本場のヨーロッパの音楽を肌で感じ、新しい側面から学ぶ必要があると考えました。留学前には短期集中語学講座や現地の語学学校にも通い、授業に対応できる語学力を養う努力を続けてきました。ヨーロッパ・中東など世界各国の友人ができ、国際交流ができました。
どんな授業だった?
個人レッスン・特別レッスン・室内楽・音楽理論・即興演奏・初見視奏、アレクサンダーテクニック、英語(留学生向け)。履修登録の際に参考となるシラバスなどがなかったので、勉強したいことをしっかり伝え、希望に合った授業を履修することができました。レッスンでは、作曲家によって違う奏法やオーケストレーション、音楽と感情表現について学びました。新しい和声の学び方、即興の授業で実際音楽が生まれる瞬間、文化による音楽の感じ方の違いを学びました。初見視奏の授業を通して、実際に演奏するときの曲の伝え方や演奏法を考えられるようになりました。授業の一環で現地の小学校に訪問演奏に行く機会があったのですが、音楽の教え方・子供たちの自由な音楽の捉え方・表現方法に刺激を受けました。英語の授業は、大学生活ですぐに実践できる内容で非常に役立ちました。
印象に残っていることは?
学生全員が音楽を心から愛し、努力する姿に日々刺激を受けながら勉学に励みました。学内コンサートだけでなく、一般公開の外部コンサートに出演させていただいたり、作曲専攻の学生からの依頼でレコーディングに参加させていただいたり、日本ではできない経験をさせていただきました。オーディションに合格して受講機会を得たマスタークラスを大学のホールで受けたことも印象深いです。日々の生活や環境、様々な学生との交流や意見交換などから、音楽に対するインスピレーション・考え方の幅が広がりました。
今後の目標は?
音楽的にも、人としても自立することです。留学生活の中での学び・出会い・経験を通して、自立とは、人を助けることができて初めて成り立つものだと考えました。音楽面については、自身の頑張り次第で様々な形に変わっていくと思います。常に学ぶ姿勢を持ち、感謝の心や思いやりを伝えられる音楽家を目指したいと思います。
王立ウェールズ音楽演劇大学(2022年秋学期留学)
楊 奕さん
ピアノ専攻 ピアノコース
留学の動機・目的・準備は?
“音楽について違う世界でもっと学びたい・価値観の異なる人々と交流してみたい”と、かねてから留学に興味があり、大学1年次に国際交流デスクに説明を受けに行きました。2年次での留学を目指していましたがコロナでプログラムが中止になってしまいました。大学在学時での留学は半ば諦めていましたが、卒業必要単位や教職必要単位をすべて取得するまで本学の授業に集中し、大学最後の4年次に留学することができました。語学は常日頃から勉強し、留学前にIELTS5.0を取得しました。
どんな授業だった?
個人レッスンでは、身体の使い方や音楽的表現など、抽象的な表現を具体化して、新しい視点から音楽との向き合い方を教えていただきました。Sight Reading(初見演奏)、Modernism, Teaching skills, Program Planning, Music in Society, English Supportを履修しました。Sight readingは大音にはない授業で非常に新鮮でした。視奏するときに何を見るべきか、何を大切にすべきかを学び、今後の譜読みに活かすことができる貴重な授業でした。Teaching skillsは子供を指導するための授業ですが、教授するにあたり、専門的な知識だけでなく、生徒が自ら考えることや自分の「世界」を作ることを手伝うということの重要さを学びました。English supportは、留学生を対象にとした、イギリス式英語の文法や単語などを通して生活と結びついた内容を学ぶことができる授業内容で非常に役立ちました。
印象に残っていることは?
学内では有名な音楽家のコンサートを毎週のように聴くことができる他、学生が主催するコンサートもあり、刺激に満ちた環境でした。マスタークラスが定期的に開催され、私も受講する機会を得ました。曲に対する理解が深まり、音質の変化をすぐに感じ取ることができました。これらの演奏経験を積む中で、ステージに立つときの緊張感を克服し、自信をもって演奏できるようになりました。授業は常に活気に満ち、学生同士のディスカッションも盛んでした。個々の個性を尊重し合いながら、自分の音楽に対する理解や考えをしっかり持つことの大切さを改めて認識しました。
今後の目標は?
文化や価値観の違いから寮生活におけるストレスもありましたが、解決するために自ら行動し、コミュニケーションを取りながら乗り越えることができた体験から、自分の考えをきちんと伝えて理解してもらうことの大切さを学びました。現地の学生や多国籍な留学生との交流や学びは、私の一生を左右するような貴重な経験になりました。広い視野を持ち、音楽への理解、世界への理解を広げ、さらに自分の音楽を磨いていきたいと考えています。
デトモルト音楽大学(2023年春学期留学)
論田 愛子さん
ピアノ専攻 ピアノ演奏家特別コース
留学の動機・目的・準備は?
ドイツという国に興味がありましたし、海外の音楽大学で学生として勉強することで、日本とはまた違ったシステムや考え方、取り組み方を学ぶことができるかもしれないと思い、応募しました。卒業後の進路を決めるにあたっても、留学で得た経験を経て考えたいと思い、在学中に異国の大学で勉強できるこの制度を利用しました。情報収集は1年ほど前から始め、ドイツ語も習い始めました。留学先の大学が始まる2ヶ月前に渡独し、語学学校に通って生活や授業に備えました。
どんな授業だった?
個人レッスン、ピアノ室内楽、合唱、即興演奏などの授業を履修しました。ヨガ・アナリーゼなどの数多くの充実した授業を受講することもできます。どの授業もとても充実した内容でしたが、特に室内楽のレッスンが魅力的なものでした。室内楽のメンバーが揃って受けるレッスンはもちろん、ピアノ個人でもレッスンを受けることができ、発表の場もありました。特に室内楽の個人レッスンは、室内楽におけるピアノの学びを深めることができ、非常に勉強になりました。自分の意見をストレートに交わしながら取り組むメンバーとの合わせの時間は新鮮かつ刺激があり、彼らからも多くのことを学びました。個人レッスンとは別に門下内での弾き合い会やコンサートなどで学校のホールで弾くことができる機会が多く、他の門下生の演奏を聴くこともでき、多くの気付きがありました。
印象に残っていることは?
デトモルトの街全体の環境です。小さいながらも魅力が詰まった街で、街には小川が流れ、小鳥のさえずりが常に聴こえる豊かな自然の中で過ごす日常すべてが印象に残っています。旧市街には絵本の世界のようなカラフルで古い建物が立ち並ぶ可愛らしい通りが続いており、歩いているだけで楽しむことができます。このような旧市街のすぐ近くに大学は位置し、すぐ裏には大きな州立公園、森があり、街全体が落ち着いていて勉強するのに最適な場所でした。
今後の目標は?
今回の留学では多くの心温かい人々と出会えたことが何よりの宝物です。彼らから自分自身の生き方について様々な考え方を教わりました。日本と海外のそれぞれの良さを認識し、音楽に誠意を持ちながら自分の目標に向かっていきたいと考えています。
王立ウェールズ音楽演劇大学(2023年秋学期留学)
清水 琢光さん
ピアノ専攻 ピアノ演奏家特別コース
留学の動機・目的・準備は?
高校の時にウィーンに音楽研修旅行に行き、その時以来、音楽の本場のヨーロッパで勉強したいという強い思いがありました。また大学4年間が日々変わらぬ日常として過ぎてしまうより、何か大きな挑戦をしたいと感じていたことも留学を目指した理由です。約1年前から準備を始め、オンライン英会話は、出発直前まで欠かさず取り組みました。
どんな授業だった?
音楽に関する科目8つのうち6つは大学指定の必修科目で残り2つは選択科目でした。個人レッスンをはじめ、作編曲・初見・伴奏やピアノの指導法に関する科目等幅広く学ぶことができました。試験の評価も正規の学生と同じように受けることができ、講評もいただくことができました。レポートやエッセイの提出が必要な場合は、授業担当とは別の先生から授業時間外で英語のサポートを受けることもできました。英語のクラスでは、メールやレポートの書き方、カジュアルな日常会話など、毎回授業ごとに異なる内容で大変勉強になりました。
印象に残っていることは?
多くの学びと出会いがあり充実した毎日の中、特に印象に残っているのは個人レッスン、音楽に対する姿勢、人々の温かさです。個人レッスンでは英語での理解が難しく今までにない練習方法に戸惑うこともありましたが、丁寧に対応していただき、実技だけでなく、本番前の心構え、失敗したときの考え方、先生との意見が違う時の捉え方など、演奏以外の側面についても学ぶことができました。授業においては、学生が自分の意見に自信を持って積極的に発言する姿に刺激を受けました。全体的には、多くの先生、友達の温かいサポートや交流を通して得ることのできた経験や達成感は自信に繋がりました。また、声楽伴奏でペアになった学生がクリスマス休暇にドイツの実家に招いてくれ、1週間ホームステイしたことも初めての経験であり、かけがえのない思い出となりました。
今後の目標は?
留学中は本当に素敵な人との出会いに恵まれていたと思っています。留学に行く前の情報と現地に行って実際肌で感じたことは印象も記憶も異なるものだと感じました。新しいことに対して、自分の目で確かめるということを今後より一層大切にしていきたいと思っています。
王立ウェールズ音楽演劇大学(2023年秋学期留学)
内泉 穂香さん
ピアノ専攻 ピアノ演奏家特別コース
留学の動機・目的・準備は?
今までとは違う環境で音楽を勉強することに興味を持ったことがきっかけです。音楽面でも、音楽面以外でも、異なる文化に触れ、新しい環境で自分を試してみたい、また学生時代に留学するということは今しかできないとても貴重な機会だと思い留学を決意しました。留学準備は、その年の初めから本格的に始めました。語学学校の会話クラス・スマホアプリを利用して勉強しました。
どんな授業だった?
個人レッスン・オーケストラトランスクリプション・近現代音楽・ピアノ教授法・声楽伴奏・初見視奏・アレクサンダーテクニック・楽曲分析・英語を受講しました。レッスンは週60分で、自分の曲以外にも他の授業の曲も見てもらえました。技術的なことから表現的なことまで全体的に見ていただき、わかりやすい例やビデオも用いて説明していただきました。アレクサンダーテクニックは日本では学ぶ機会がないので非常に興味深く思い選択しました。この授業は、問題をどう解決していくかを教えていただくだけでなく、個々で考える時間もあり、自分の考えに影響を与えてもらえた貴重な経験となりました。
印象に残っていることは?
授業は、日本では学べないものが多く新鮮でとても楽しかったです。正規学生と交換留学生の扱いの差がなく、学部・学年を超えて様々な学生と係ることができたおかげで、授業内エッセイ500wordsの提出やプレゼン20分の発表という私にとっては非常に大変な課題においても、いろんな学生の温かいサポートを受け乗り越えることができました。マスタークラス、学内コンサートにも出演させていただいたのですが、一般客も招いてのコンサートでは、演奏後に観客が気軽に声をかけてくださり、嬉しい言葉をたくさんいただきました。このような文化はとても素敵だなと感じました。学外では、様々なバックグラウンドの友人と、放課後やお休みの日にカフェやバーに行ったり、ご飯を一緒に作ったり、お互いの国の話など様々なことを共有し、とても濃い時間を過ごすことができました。その中の1人と、休暇を利用してロンドンとエディンバラに旅行に行ったこともかけがえのない経験となりました。
今後の目標は?
留学中はよい出会いに恵まれました。現地で出会った人々のおかげで、多少辛いことがあっても乗り切れましたし、音楽以外のこともたくさんのことを吸収できました。考え方であったり、文化であったり、自分の可能性を広げることができたと思うので、将来どういう分野に進んでもこの経験を活かしていきたいと思います。