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〈レポート〉音楽噺『伝鐘 DENSYO ~八つの鐘が鳴り響くとき~』(作曲デザイン・コース・コンサート「第2回 NEXT DESIGN」)


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レポート

第二次世界大戦禍の1945年。大阪は実に8回にもおよぶ空襲を受け、多くの尊い命が犠牲になりました。あれから77年後、2022年の暮れに、この出来事を“伝承”する「音楽噺(おとばなし)『伝鐘 DENSYO ~八つの鐘が鳴り響くとき~』」が、ザ・カレッジ・オペラハウスで上演されました。

この演奏会は、作曲デザイン・コース・コンサート「第2回NEXT DESIGN」として行われました。豊中市出身の落語家・桂花團治さんを台本・語り部に迎えた、音楽×語り=“音楽噺(おとばなし)”という新たなコンサートスタイルに挑戦。物語の各シーンに合わせた音楽を手掛けた作曲デザイン・コースの学生たちは、大阪国際平和センター(ピースおおさか)に何度も足を運び、戦争の知識・理解を深め、制作に取り組みました。

テーマは「大阪大空襲」。活気に満ちた大阪が、戦火に呑まれてゆく様を鮮烈に描きます。


戦前の活気にあふれた大阪。流行のファッションに身を包んだカップルが軽やかに舞い、平和なムードを漂わせます。


ほどなくして戦争が勃発すると、重苦しい雰囲気が広がります。動物園の動物たちとの心痛な別れは、観客の心を揺さぶりました。


空襲のシーン。警報が鳴り、防空壕に逃げ込み、爆撃機B29が去るのを待つ…。耳を塞ぎたくなるような轟音と、肌に突き刺さるような尖ったサウンドは、空襲の激しさを物語ります。苦しい戦禍においては、多くの人がお笑いに救いを求め、毎日のように寄席が行われるという側面もあったそうです。


アコースティック、ギターロック、電子オルガンの壮大なシネマサウンド…学生たちの戦争に対する思いが音楽に乗り、一音一音で訴えかける力強さを感じました。そして音楽とシンクロするダンスは、人々の嘆きや絶望、戦争の惨劇を生々しく見せ、観る者をひきつけました。


花團治さんの真に迫る語りはもちろんのこと、豊かな表情やしぐさも、登場人物たちの感情を繊細に映し出していました。

物語の終盤には、この演目の副題にもある「八つの鐘*」が順に鳴らされます。この鐘は8回の大空襲にちなんだもの。平和を願う神聖な鐘の音は、終演後もしばらく耳に残っていました。

*)ピースおおさかの「刻(とき)の庭」に設置されているさまざまな形をした「音の出るオブジェ」のこと


\ 開催決定! /「第3回 NEXT DESIGN」


  • 日時:2023年12月22日(金)18:30~
  • 会場:ザ・カレッジ・オペラハウス
NEXT DESIGNならではの創作ステージをお楽しみに!