グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



  1. Home
  2.  >  DAION Watch
  3.  >  MB専攻が実現する“未来の音楽体験”とは?

MB専攻が実現する“未来の音楽体験”とは?


\ Let's share! /

watch

突然ですが、クイズです。トップの写真は一体何をしているところだと思いますか?これは「音楽×テクノロジー×ビジネス」がコンセプトのミュージックビジネス専攻(以下、MB専攻)のプロジェクトのワンシーンです。キーワードは“未来の音楽体験”。音楽大学のイメージとはかけ離れたこの写真の謎に迫ります。記事後半のバリエーション豊かなMB専攻の課外活動にも注目してご覧ください。


1. 音楽体験は新たなステージへ


冒頭のクイズの正解は〈「電子楽器のオーケストラ」の演奏シーン〉でした。…と言われてもピンとこない方の方が多いでしょうか。ここからはこのプロジェクトについて、MB専攻1年生・樺島彩さんのコメントとともに振り返ります。

「電子楽器のオーケストラ」の正体


「WEBマーケティング基礎Ⅱ」(太田智美助教)の授業と、半導体事業を展開するソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(以下、SSS)の連携により、開発・研究が行われました。電子楽器のオーケストラで用いられたのは、「SPRESENSETM」というコンパクトな省電力ボードコンピュータ。授業では、実際にSSSからの技術指導や開発に必要な教材の提供を受け、研究が重ねられました。

「電子楽器のオーケストラ」に用いられるSPRESENSE
写真提供:ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社


SPRESENSEを使った電子楽器のオーケストラは、11月3日(木・祝)に開催された「DAION MUSIC TECH 2022」(以下、DMT2022)でお披露目されました。当日は学生たちが4グループに分かれて、プレゼンテーションを実施。演奏したのは、誰もが一度は耳にしたことがある「アメリカン・パトロール」(ミーチャム)や「結婚行進曲」(メンデルスゾーン)など。人が直接機械に触れることなく音が鳴り始めると、観客はSPRESENSEに興味津々の様子でした。

今回のプログラミングは、SPRESENSEがセンサーでとらえた色を判別し、その色に紐づけられた音が発せられる仕組み。実際には、スクリーンに投影する色を切り替えることで、音楽を奏でました。あるチームはプログラミングに組み込まれた色の服を着用し、SPRESENSEの前に立つことで操作してみせ、この日一番の注目を集めていました。


樺島彩さん(MB専攻1年)

SPRESENSEを開封し、その中にプログラミングをしていくのが特に難しかったです。PCを駆使した慣れない作業の連続で、MB専攻は工業系なのかな?と思うほど、音楽との接点が見えませんでしたが、実際に機械が音を奏でているのを見た時は、胸にくるものがありました。SPRESENSEの高音質の性能を活かし、将来的には楽器本来の音をより忠実に再現することも可能になるのではないでしょうか。

2. 全力で挑む課外活動(DMT2022レポート)


MB専攻では課外活動も活発です。DMT2022では、電子楽器のオーケストラの他にも、学生の取り組みについての成果発表や教員による特別企画も行われました。引き続き樺島さんのコメントも交えながら、取り組みのいろいろを紹介します。

音JOY
~熱く語るMBとゆるの歩み~


目指すは「Sensing Solution アイデアソン・ハッカソン 2022」への参加――。このコンテストは、国内の高校生・大学生等を対象とし、社会課題を解決し、より良い未来を創造するイノベーションを提案、共創することを目的として、公益社団法人計測自動制御学会 システムインテグレーション部門とソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社が主催しています。そして、前出のSPRESENSEを活用した新たなアイデアを生み出す審査部門も設けられています。

学生たちがこのコンテストへの挑戦を決めた背景には、客員教授の梶望さんとの交流を通して「世界ゆるミュージック協会」の活動を知ったこと、その後の大阪・関西万博“ほぼ”1000日前イベント「Road to 2025!! TEAM EXPO FES」での同協会ブーススタッフとしての参加、さらに同日、同会場で開催されていた「ゆる楽器ハッカソン」(ゆる楽器のアイデアを具現化するコンテスト)を見学した経緯がありました。

「Road to 2025!! TEAM EXPO FES」の様子

「Road to 2025!! TEAM EXPO FES」の様子


DMT2022では、4人のメンバーがこれまでのチームの取り組みについて発表を行いました。発表を終えた学生は、「私たちのやってきたこと、それをまとめた発表がどれだけ皆さんに伝わるか不安でした。でも、熱心に聞いていただけたことで、頑張った甲斐があったと感じています。アイデアソンなど、新たな挑戦の心を忘れずに今後も頑張りたい」と話します。観客からは「今回のSPRESENSEとのコラボの背景も見えて面白かったです。これからのMB専攻も楽しみにしています」と期待が寄せられました。


SPRESENSEを用いたゆる楽器の開発など、多様な人々が楽しめる質の高い音楽体験の実現を目指す活動の輪は、どんどん広がっています。


樺島彩さん

「ゆる楽器ハッカソン」で、太田先生が〈フラメンコをしながら演奏できるゆる楽器〉を創作され、優秀賞を受賞されていました。新しいものを創造していく過程は、私たちの創造の野心を刺激し、わくわくが止まりませんでした。参加したメンバーは、機械のことは勉強不足ながらも、持ち前のアイデア発想力を生かして、新たな挑戦を始めたそうです。MB専攻生は、興味を持ったらすぐ行動する、行動力にあふれています!

※SPRESENSEは、ソニーグループ(株)またはその関連会社の登録商標または商標です。

マキノコウタ
~音楽配信は個人の時代へ~


マキノコウタさんは、授業で身につけた音楽配信の知識を活用し、音楽ディストリビューター「TuneCore Japan」からオリジナル楽曲を配信しました。DMT2022の開催に合わせて活動をスタートし、イベントのテーマソングとして起用された「Tutorial」をM.MASHROOM名義で配信中。今回の発表では、TuneCore Japanを通じた音楽配信の流れや仕組みを解説しました。クリエーターとして挑戦を続けるMB専攻生の活躍が楽しみです。

デモ音源試聴会
~大阪からヒットを!~
(教員特別企画)


この企画は、音楽プロデューサーの脇田敬教授とシンガー&ソングライターとしても活躍するKaz Kuwamura助教によるもの。関西のクリエーターから募集した楽曲のデモ音源の中から厳選された音源を試聴し、意見交換を行いました。


樺島彩さん

滅多に見ることのできない楽曲制作の裏側を垣間見ることができました。クリエーター同士の交流の場にもなり、MB専攻生も自身の名刺を交換させていただくなど、とても貴重な時間になりました。

アンテヌ
~MB専攻生初の映像作品発表~


映像制作に興味のある学生が集まり5分ほどのショートムービー「第三者の介入」を制作。実際に外ロケが行われるなど、プロさながらの力作が完成しました。メイキング映像も添えられ、本格的な活動の様子がうかがえます。

肖像権などの権利関係により、今回はその様子をお見せできないのですが…ストーリー性にあふれた見応えのある作品に仕上がっていました。新作も制作されるかも?とのこと。今後発表される(かもしれない)映像作品にも期待しましょう。

子供もノリノリ!
「お手軽バーチャル体験」


教室の一角に設けられた体験ブースには、グリーンバック(合成動画を撮影するための緑色のスクリーン)とテレビモニターが設置されています。


ここで行われていたのは、Adobeのソフト「Character Animator」を活用したバーチャル体験。あらかじめ設定されたキャラクターが、モニター上で自分と同じ動きを再現してくれます。このメタバースを思わせる体験は好評を博し、大きな賑わいを見せていました。中には、MB専攻生セレクトのBGMに合わせてノリノリに踊ってくださる方も。企画した学生は「子供が楽しんでくれたのは予想外でしたが、多くの方に楽しんでいただけました。企画してよかったです」と喜びを語りました。

DMT2022を振り返って

樺島彩さん

DMT2022では、MB専攻生が初めて企画を行い、準備段階から様々な学びがありました。SNSを使った宣伝やプレスリリース、そして当日の運営。うまくいかないことも多かったですが、無事に乗り越えられてよかったです。ご来場の皆様からいただいた様々なご意見・ご感想は、今後のより良いイベントづくりに生かします!


Photo/MB専攻提供(一部を除く)

レポート原案作成/樺島彩(MB専攻1年)


大阪音楽大学ミュージックビジネス専攻1年。熊本県出身。
「Road to 2025!! TEAM EXPO FES」での世界ゆるミュージック協会のブースに参加。「Sensing Solution アイデアソン・ハッカソン 2022」アイデアソン部門1次選考突破。障がいや国籍など、個人が持つ様々な壁を超えて、音楽でつながるエンタメプロジェクトを構想中。現在はメタバースにも興味があり、新たなビジネスをしたいと考えている。
https://lit.link/AyaKabashima