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Vol.10 ただいま、創作中 ~始動~ (2019/12/30)




今年もあと2日。押し迫ったこの時にも頭をかすめるのは、創作中のオリジナルミュージカル作品のことだ。
年明けの2月23日には劇場(ザ・カレッジ・オペラハウス)で幕が開く。タイトルは

「湖底のブラームス」

台本・作詞は今年も私が担当。あらすじは、こうだ。
「 <真夜中になるとブラームスの弦楽四重奏曲が聞こえてくる伝説の湖> の夢を見た老婆・ナーナ。
彼女は孫娘・アンリを連れてピロルの湖を訪れる。やがて明らかになる老婆・ナーナの過去の秘密」

今年の創作作業工程をメモで振り返る。
5月:台本第1稿を上げ、作曲家に作曲を依頼
7月:学生らによる初めての読み合わせ(1、2年生全員が参加)
9月:5日間の集中講義内で台本や音楽、および学生の演技を検証
10月:依頼する助演俳優の決定
11月:テクニカル・スタッフによる美術プランの提出(大道具・小道具・衣装)

7月の読み合わせを「稽古初め」としたが、「読み合わせ」という言葉は学生には危険だ。
だから私は「しゃべり合わせ」と呼ぶ。厳密に言えば俳優は稽古において台本を「読む」のではなく、「しゃべる」が正しいと思う。
プロになれば当たり前のことだが、学生は「読み合わせ」という言葉に引きずられて、ややもすると本当に自分の台詞を「読んでしまう」。
その癖をつけて欲しくない私は、下記2つを徹底している。

・読み言葉の延長にしゃべり言葉はない
・台詞とはしゃべるものであり、読むものではない

さて、8月の夏休みには、第1稿の台本に基づき、4つの課題を学生に出していた。
1.作品のテーマをつかむ
2.作品の中における各シーンそれぞれの構成役割りを研究する
3.自分が配役された登場人物の、作品の中における役割りを考える
4.歌詞や台詞の「自分化」を探る

そして私のほうも夏休み中に台本の手直し行い、第2稿を上げ、9月の集中講義の前に学生らに配布。
ここから本格的な稽古(授業)が始まった。
開幕までおよそ6ヵ月を切っていた。