グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



HOME >  教員紹介 >  羽鳥特別教授の徒然ブログ >  Vol.17 紡(つむ)ぎだされる記憶 ーアンドロイド物語ー パンフレット寄稿文 「未来を作る2年間の学び」(2023/3/22)

Vol.17 紡(つむ)ぎだされる記憶 ーアンドロイド物語ー パンフレット寄稿文 「未来を作る2年間の学び」(2023/3/22)


「未来を作る2年間の学び」

ミュージカル・コース 教育主任
羽鳥三実広


 我々教員は学生ひとり一人が築き上げる未来に関与している。この責任は重い。

 ミュージカルコースでは毎年入学式終了後にプレ・レッスンを行うが、私は新入生にこう言う。「他人の時計を見ず、自分の時計を見てレッスンや演習に励むこと」。芝居を始めた頃、私が師に言われた言葉で、決して他人と比べる愚を起こしてはいけないという戒めだ。
 我々はひとり一人の指導において出来る限り不公平をしないよう心がけるが、不平等は行わざるを得ない。その最たるものがこの年度末公演における登場人物の配役だ。配役はある意味不平等。しかしたとえ自分が望んだ役ではなくても、日々のレッスンや演習で培った力を発揮し、与えられた役に真摯に取り組むことで学生らは自分自身と向き合うことが出来る。その過程では「焦り」「腐り」「挫折」も味わうであろう。それでも自らの心を奮い起こし、作品に一人の俳優として貢献するという前向きの覚悟を持たなければならない。これこそがミュージカルコース2年間の学びであり、学生らが社会人として未来を生き抜く力になると我々は信じている。「俳優」を育てるのではなく「人」を育てる。学びの場において我々が肝に銘じていることである。

 さて一年の集大成である年度末公演。今年は「紡ぎだされる記憶 -アンドロイド物語- 」。もちろん新作である。学生らにとってオリジナル作品に携わることのメリットは、既成作品のそれと比べてはるかに大きい。どう演じていいのか、お手本が無いのである。無から有を生み出す際に起こる「畏れ」「もがき」「葛藤」の心境は得難い経験となるに違いない。
 コロナ禍にさらされ、マスク着用のレッスンや演習を行わざるを得なかった学生らが今回の作品の中でどんなパフォーマンスを見せてくれるか。結果はどうであれ、これまで歩んできたひとり一人の道のりに価値がある。2年生はそれを誇りに思い、卒業してほしいと強く願う。劇中ナンバー「あなたの未来」は皆へのエールでもある。
 今年度で私は教育主任を退くが、しばらくは残って別な立場でコースを支えることとなった。指導にあたる「人」とその「仕組み」が整いつつあるミュージカルコースが、これからも確固たる教育理念を持ち、時代に寄り添って学生らの指導にあたっていくことに変わりはない。

 来年度より新たに船出するミュージカルコースをこれからもお見守り下されば幸いです。 
 本日のご来場、誠に有難うございました。