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Vol.7 平成最後の大晦日に (2018/12/31)




大晦日。1年を振り返る。
今年はDAIONミュージカル公演だけでなく、コンサート、ワークショップ等々、有難いことに外部からの依頼が多く、例年よりも忙しい1年となった。
特筆すべき点を3つ挙げる。

◆その1 「空の向こうの物語」
今年の3月にDAIONミュージカル作品として本学オペラハウスで上演された作品であるが、同作品の小学生と高校生の貸し切り公演がそれぞれ実現した。(共に本学オペラハウスで上演)

◆その2 「リトル・オズ」
これもDAIONミュージカル作品で、幼稚園や小学校の貸し切り公演、そして滋賀県草津市での一般公演がそれぞれ実現した。幼稚園は本学オペラハウス、小学校は同校体育館、草津市は同市クレアホール(草津歌劇団が出演)での上演。

◆その3 ワークショップ色々
通常、我々教員が行うワークショップはミュージカルに関してであるが、1校だけ、ミュージカル志望以外の生徒たちも対象となる高校があった。

以下、上記3つについて補足する。

●その1&その2
小さい子供から高校生に至るまでの児童や生徒たちに、我々のミュージカルを観てもらうのは悲願であったから、その実現は本当に嬉しかった。
高校生の貸し切り公演では、「開演中に生徒たちが騒ぐ」ことを先生方が心配されていたが、一旦、幕が開くと、開演前の生徒たちの喧騒が嘘のように静まり、2時間もの上演中、彼らは食い入るように舞台を見つめていた。
幼稚園や小学校向けの公演も同様。我々のような簡素な舞台装置でも、出演者が基本的な役割をきちんと果たし、ストーリーを明確に運ぶ緊密な舞台であれば、決して観客は飽きることがないとの確信を改めて持った。



●その3
夏休みのある一日。今回のワークショップでの訪問が4年ぶり3回目となる新潟県立新潟中央高校にお邪魔した。ワークショップのタイトルは「実践的表現概論」。同校の音楽棟ホールに集まった音楽科の生徒100名ほどを対象に、講義のほか、声楽専攻などのミュージカル愛好者だけでなく楽器演奏者にもアドバイスを行ない、且つ生徒たちと質疑応答を行うという形をとった。
「演奏家のジレンマ」「表現の基礎はイマジネーション」「イマジネーションの肉体化」「訴えたいという衝動」「アクションはフレーズの前から」「技術と想像力の一致」と、レジメに沿った講義を進めた後、今度は何人かの生徒を舞台に上げて実践の個別指導を行う。テーマは「空間を想いで満たす」。声楽専攻だけでなく、楽器専攻の生徒も舞台に上がる。
興味深く印象的だったのはピアニストだ。「演奏者本人がシチュエーションを明確にストーリー化し、演奏者自身の内面でそのストーリーを生きる」。言葉にすると小難しいが、要するに幼少期に女の子が行う「ままごと」を演奏の最中に行うのである。「本気で」「信じきって」。俳優と変わらない練習。そして高校生ピアニストの内面が、一瞬ではあるが、ある瞬間に想像力でシチュエーションに満たされた時、私は鳥肌が立った…。
―― 表現は君の心の中にある。それを君は弾かなければならない ――

ミュージカルの指導法について、高校の先生方から問い合わせを受けることが少なくない。もちろん我々は出来る限りお力になりたいと思っている。そして時間の許す限り、どこへでもお伺いしてワークショップを行う。
ミュージカルブームと言われて久しいが、その裾野はまだまだ狭い。ミュージカルの楽しさをもっと多くの人に知ってもらい、ミュージカルをさらに日本に根づかせる。我々のワークショップがその小さな一歩となれば幸いである。「ゆっくりでいいから、真っ直ぐな道を歩いて下さい。そうすれば必ず前進できます」。この信念を持って我々はこれからもお手伝いをさせて頂く。

あと数時間で今年が終わる。平成最後の大晦日。
学生の指導、創作作品の上演、コンサート、ワークショップ。来年も我々の活動は続く。