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藤原功次郎トロンボーンリサイタル


レポート

2022年6月12日(日)ザ・カレッジ・オペラハウスで「藤原功次郎トロンボーンリサイタル」が開催されました。藤原先生が今年度より本学の講師に就任したことを記念した公演で、共演にピアニストの原田恭子さんを迎え、トロンボーンの魅力を堪能できる充実のプログラムが披露されました。


ー P r o g r a m ー
〈第1部〉
  • R.ジーツィンスキー/ウィーン、我が夢の街
  • G.プッチーニ/歌劇「トゥーランドット」より 誰も寝てはならぬ
  • 作曲者不詳/アメイジング・グレイス
  • H.トマジ/トロンボーン協奏曲
〈第2部〉
  • 菅野祐悟/ACT(2022年藤原功次郎委嘱作品)*世界初演
  • 菅野祐悟/大河ドラマ「軍師官兵衛」より メインテーマ
  • 藤原功次郎/風と約束(2022版)

プログラムは、ウィーン市民や観光客に愛される、言わば “ご当地ソング”のような名曲「ウィーン、我が夢の街」(R.ジーツィンスキー)から始まり、「誰も寝てはならぬ」(歌劇「トゥーランドット」より)、「アメイジング・グレイス」と続きます。人の声に一番近い“神の楽器”と称されるトロンボーンらしく、まるで歌っているかのようなビブラートやのびやかなサウンドが印象的でした。

第1部の最後はH.トマジ「トロンボーン協奏曲」。第1楽章の冒頭、トロンボーンの華やかなカデンツァで会場を楽曲の世界に一気に引き込むと、情景や主人公の足取りが感じられる豊かな表現力で、たちまち“夜のパリ”を思わせる雰囲気を誘います。ジャズのブルースが登場する第2楽章。トロンボーンにミュートが装着され、音楽の印象ががらりと変化します。少しこもったような音色からは、レコード再生のような懐かしさが感じられました。先ほどまでとは打って変わりスピーディーでパワフルな第3楽章では、トロンボーンの輪郭がくっきりと浮かびあがり、金管楽器ならではのダイナミックな響きが際立ちました。

第2部は、演奏とトークで和やかに進みました。トークでは、トロンボーン奏者を志したきっかけやプログラムにまつわる思い出、劇伴演奏の経験などが語られ、会場から笑いが起こる場面もありました。

演奏は、「ACT」で再開します。本作は、ドラマや映画などの劇伴を中心に活躍する作曲家・菅野祐悟氏が藤原先生のために書き下ろした作品で、本公演が世界初演となりました。テーマは、“アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)”という新たな認知療法。トロンボーンの丸くあたたかみのある音色がピアノと調和して穏やかな響きを生み、心身ともに癒されるひとときでした。菅野氏はプログラムノートに「藤原くんの音は人を元気にします。(中略)この曲を演奏する藤原君のトロンボーンで、安心や希望を感じてもらえたら幸いです」とメッセージを寄せられています。

続いては、藤原先生にとって初の大河ドラマ劇伴演奏となった「軍師官兵衛」から、過去にカーネギーホールでも演奏したという思い入れの強いメインテーマが披露されました。冒頭の勇ましいファンファーレで会場の雰囲気は“和”に一変。心を打つ主題が豊かな息づかいをもって情緒たっぷりに歌い上げられました。再現部ではピアノの劇的な旋律が、主題に更なる深みを与えていました。

プログラムの最後は藤原先生自作曲の「風と約束」。元は「風」「約束」の別々の2曲ですが、今回は1つに繋げた2022版として演奏されました。「風」は藤原先生の“ジブリへの憧れ”も感じられる世界観で、ノスタルジックな空気が会場を包みました。心地よいリラックスムードの中、“ありがとう”と奏でられ、「約束」が始まります。ウィーンでのリサイタルのために現地で書き下ろされた本作は、 “ありがとう”のイントネーションが感じられるモチーフが何度も登場します。「“ありがとう”は日本語の中で一番きれい」と語る藤原先生。心からの気持ちを載せて、一音一音丁寧に紡がれました。繊細で煌びやかなピアノが、藤原先生の思いをさらに輝かせているようでした。

第2部ではそれぞれの楽曲イメージに合わせて照明が変化。視覚的にも楽しむことができるステージになっていました。

アンコールでは、「エーデルワイス」「ドレミの歌」(R.ロジャース/ミュージカル「サウンドオブミュージック」より)と、リサイタルの最後に必ず演奏するというM.モノー「愛の賛歌」が披露されました。藤原先生のトロンボーンへの愛情が詰まった、心温まる時間となりました。


藤原功次郎(Kojiro Fujihara)
幼少の頃よりピアノ・作曲をはじめ、中学3年生より川西市立川西南中学校よりトロンボーンを始める。兵庫県立西宮高等学校音楽科卒業。東京藝術大学をアカンサス音楽賞を受賞し首席で卒業。京都ノートルダム女学院常勤教員、日本フィルハーモニー交響楽団首席トロンボーン奏者を経て、現在、洗足学園音楽大学非常勤講師、コバケンとその仲間たちオーケストラスペシャルメンバー。ジャパン・アーツ所属。
これまでに国内オーケストラ、ウィーン交響楽団首席奏者などを客演。2012年オーストリア国際管楽器コンクールをアジア人初全部門から優勝、オーストリア名誉市民賞受賞、2016年シチリア島イブラ大賞国際音楽コンクールを史上初の金管楽器奏者で全部門から優勝。これまでに、兵庫県知事賞、兵庫県教育委員長賞(ゆずりは賞)、松方ホール音楽賞大賞、坂井時忠音楽賞、Goldene Dohle 勲章、川西市民文化賞、兵庫県芸術奨励賞、カーネギーホールアワード2017・2018、2年連続受賞。2017年済州島国際金管楽器コンクール審査員、イブラ大賞国際コンクール審査員。2018年ニューヨーク大学賞を受賞。イブラ大賞ワールドツアーで20以上の国でリサイタルを開催。
これまでに、国際原子力機関IAEA、カーネギーホールなど名だたるホールで演奏。テレビ朝日【題名のない音楽会】はじめ、雑誌、ラジオなど、様々なメディアに出演。またアーティスト、テレビドラマ、映画、アニメのレコーディングも積極的に行い、King & Prince、NHK大河ドラマ【軍師官兵衛】はじめ、連続テレビ小説【半分、青い。】、日曜劇場【日本沈没-希望のひと-】【テセウスの船】、映画【漁港の肉子ちゃん】【劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』】【とんび】、アニメ【PSYCHO-PASSシリーズ 】【王様ランキング】【はたらく細胞】【ゴールデンカムイシリーズ】【Re:ゼロから始める異世界生活シリーズ】【ジョジョの奇妙な冒険シリーズ】【ラブライブ!】などのさまざまなジャンルのBGMを担当。
オーケストラ共演は藝大フィルハーモニア管弦楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、東京都交響楽団、Inter Musica Symphony Orchestra、West Australian Youth Jazz Orchestra、West Australian Symphony Orchestraとソリストとして共演。アジア、イタリア、ウィーン、アメリカ、オーストラリアなど、世界各国で国際的に活動。2022年4月より大阪音楽大学非常勤講師に就任。自分自身の音や生き方を見つけ、社会に貢献できる音楽家を育てる手伝いをしたいと考えている。