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【RUNG HYANG×eill】「シンガーソングライター」という生き方


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アーティスト

シンガーソングライターとしての活動のみならず多くのプロデュースも手掛け、様々なアーティストを輩出している「ルンヒャンゼミ」を主宰するRUNG HYANGさんと、映画・ドラマ・アニメの主題歌やCMに楽曲が次々起用され、各メディアで「若手注目のアーティスト」として続々ピックアップされているeillさんへのスペシャルインタビュー。今回は、アーティスト仲間として日々切磋琢磨する二人が語る「シンガーソングライター」という生き方と、その魅力に迫ります。

互いの感性を磨いた"ルンヒャンゼミ"時代

ーーまずは、お二人の出会いから聞かせてください。

RUNG HYANG:私が音楽の専門学校で開講していた「ルンヒャンゼミ」に、当時高校2年生だったeillが来るようになりました。明るい陰キャ、だけど女子高生ということを全面的に押し出している"ワンパクJK"という印象でした(笑)。

eill:今考えると恥ずかしいですが、当時はブランド力だと思っていたので(笑)。専門学校は2年間なのですが、1年目に教わっていた先生とはフィーリングが合わず、後半1年間だけ"ルンゼミ"に通いました。

RUNG HYANG:当時はeillが最年少の17歳で、上は40代。株をやっているおじさんと一緒に曲を作ったりしていたよね。

eill:尖りすぎて、(同世代の)友達がいなかったから(笑)。

RUNG HYANG:eillは当時競馬場のカフェでアルバイトをしていて、おじさんは賭け事も好きだから競馬にもよく行っていたらしく、2人で「馬より君が好き〜」というデュエット曲を作ってきてゼミ内で披露していました(笑)。

eill:懐かしい(笑)。

eill

eill:他の先生の教え方は1対1でしたが、ルンゼミはひとつのテーマでみんなが曲を作ってきて、それぞれ発表してディベートしたりするんです。テーマも面白かったし、ゲーム感覚みたいなところもあって、受けていてすごく楽しかったですね。曲を作ることの楽しさみたいなものは、ルンさんから最初に教わったと思っています。

RUNG HYANG

RUNG HYANG:私もeillやゼミのみんなが作る曲に対して、「これはやられたな」とか「この発想はなかった」と思うことばかりだったので、いまだに「教える」という感覚はありません。みんなが持ってきたアイデアや感性が自分を育ててくれていると思うし、それがぐるぐるスパイラルしている感じというか。教えることが専門ではなく、自分もライブやアーティスト活動をしている中でのゼミなので、みんなもそれぞれ得意なことを早めに伸ばして、学校に通いながらでも早く現場と繋がってほしいという気持ちが強いからなのかもしれません。

eill:「卒業したら現場で会おう!」って、100回くらいみんなに言っていましたよね。それはすごく覚えています。

二人が考えるシンガーソングライターの真髄とは?

ーーeillさんはK-POPをきっかけに様々なジャンルの楽曲を聴くようになり、音楽自体を探求していったそうですね。シンガーソングライターとしての道を進むために、どのような努力をされましたか。

eill:私は歌が上手くなかったので「歌手になりたい」と言ったら母が驚愕していました(笑)。ボイストレーニングにも通ってめちゃくちゃ練習しましたし、これはあまりいいことではありませんが、喉から血が出るくらい毎日歌っていました。その頃は音程やビブラートなどのテクニックが中心にありましたが、ルンさんに出会って、言葉を伝える大切さや、曲のニュアンスを噛み砕いて話しかけるように歌うことなどを学びました。努力というか、そもそもの意識が変わったことがすごく大きかったと思います。

RUNG HYANG: 3日も4日も寝ないで書いた言葉が、滑舌が悪いというだけで舞台から届かず終わってしまうことほど悲しいことはない。そこをすごく意識するようになってから、シンガーソングライターとしての人生が始まったと思っていて。自分の中のすごくミニマムなことを書いていたとしても、人前で歌う以上、どう料理してどう食べやすくするかまで考えないと伝わらない。人を意識しないのなら、自分の部屋で一人で歌っていればいいですから。

RUNG HYANG

eill:そこまで意識すると、自分の書いた曲のことをもっと愛せるようになる。自分が作ったものを自分が一番大切にできなくてどうするんだ、ということですよね。
ーーでは、どういう時にシンガーソングライターとしての醍醐味を感じますか?

eill:私は自分が感じたことをリアルに歌にするタイプなので、例えばこうして話している中でも「絶対にこれを曲にしたい!」と感じる瞬間があるんです。どんなに素晴らしい映画を観ても、この興奮は超えられない。音楽にせずにはいられない!みたいな感じ。

eill

RUNG HYANG:わかる、わかる。

eill:そこから曲ができて、みんなが音を入れてくれて、ひとつの音楽になって、目には見えないのにものすごいものになる。それを聴いただけで、その時の自分の感情やみんなと曲を作った時間のこと、痛みや甘さも全部思い出せるんです。記憶の保存みたいにあの興奮が蘇ってくるのがなんだかすごいと思うし、それがとても楽しくて好きですね。

RUNG HYANG:恋愛もそうですよね。好きになっちゃいけない人であっても好きになる時はなるし、止められない衝動がある。自分の感情でコントロールできる場合もあるかもしれないけど、コントロールできないくらいの衝動が起きてしまうことは、すごく苦しいことであるのと同時に嬉しいことでもあって。シンガーソングライターは、その目に見えない透明な塊を取り扱う仕事。こうして続けているということは、きっとその役割を任されているということだと思いますし、すごく大事なものを手の中に持っている気がします。

前向きな気持ちがあるなら"今"踏み出して

ーーこの記事を読んでくださる方の中には、シンガーソングライターに憧れている方もいらっしゃると思います。そんな方々へ、お二人はどういうことを伝えたいですか?

RUNG HYANG

RUNG HYANG:先のことは誰も予想できないし、予想してもひっくり返されてしまうような時代ですよね。やりたい気持ちが少しでもあるなら、考えすぎずにまず一歩踏み出してみるといいと思います。そこから次が見えてくるだろうし、その積み重ねでどんどん未来が近づいてきて、振り返った時に「私、こんなに歩いてきたんだ」と気づくと思います。自分も曲を作ってみたいなとか、裏声でもっときれいに歌えるようになりたいなとか、これができるようになったらちょっと楽しいなっていう1mmサイズのものでいいんです。それがもし音楽の方角に向いている種類のものであれば「おいで」って思います。次に見える景色が何なのかは、やってみて初めて分かるものだから。

eill

eill:私も20歳くらいまで、自分がどうなりたいとか、歌をやりたいけど、じゃあどこで歌いたいのかとか聞かれてもわからなくてすごく苦しかったんです。今もわからないことはたくさんありますが、わからないから<たったひとつの人間>なんじゃないかなと。答えは今日全部出るわけではないけど、いつかの自分の答えを持っているのは今日の自分だから、大切に今を感じて、今やりたいことと向き合ってほしいと思います。少しでも自分が今一番興味があるのは音楽だと思うなら進んでみればいい。遅いも早いもありません。その時に出会った感情が「はじめまして」だから、それを大事にしてあげてほしいです。
Interview&Text/山田邦子 Photo/堀内彩香

RUNG HYANG(ルンヒャン)
福岡県・筑豊生まれの在日コリアン3世。卒園ソングをテーマにした「さくらびより」がYouTubeで話題を呼び2012年にメジャーデビュー、情報番組や音楽番組に多数出演。自身の活動のみならず多くのプロデュースも手掛け、様々なアーティストを輩出した「ルンヒャンゼミ」が各方面で注目を集めている。SIRUP、韻シスト、向井太一、Claquepotといった音楽シーン重要人物とのフィーチャリング楽曲も次々と発表し話題。誰かの生活を覗き見しているようなリアルなリリックと、Jazz、Hip Hop、Soul、フォークと様々なジャンルを取り入れた「雑食」スタイルで進化を続けるシンガー ”ソウル” ライター。

eill(エイル)
東京出身。ブラックミュージックを下地にした音楽性と、甘さ/切なさ/艶感/力強さが共存した歌声で魅了する シンガーソングライター。 15歳から歌い始め、同時に PC で作曲も開始。2018 年 6 月にシングル「MAKUAKE」でデビュー。多彩なソングライティング・センスが高い評価を受け、BE:FIRST、ジャニーズWEST、NEWS、 テヨン (ex 少女時代 )、 EXID 等に楽曲を提供。情感豊かな歌声に魅せられたアーティストも多く、SKY-HI、PINKSWEAT$ 等、国内外のアー ティストの楽曲に客演で参加。
2021 年 4 月に TV アニメ『東京リベンジャーズ』の ED 主題歌に起用されたメジャーデビュー第一弾シングル「ここで息をして」をリリースし、その後も映画・月9ドラマ・Abemaドラマ主題歌、TVCMソングなど数々のタイアップを担当。2022年にメジャーファーストアルバム『PALETTE』をリリースし、タイトル楽曲「palette」は「アクエリアス」TVCMソングに起用された。6月には延期となっていたeill『BLUE ROSE TOUR 2022』の名阪公演の振替公演と、川崎・CLUB CITTA' での追加公演も決定している。