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入学者選抜・オープンキャンパス


教員からの受験アドバイス(2024年度 入学者選抜)



作曲

和声

和声課題は、バス課題とソプラノ課題が1題ずつ、それぞれいくつかの調を経由した後、再現部に入るところまでが出題されます。両課題とも前半は和声音のみですが、後半に非和声音が含まれます。大切なのは、課題全体の構成を最初に把握しておくことです。つまり、各段落の終止とその調、転調の方法、クライマックスの設定などをはじめにチェックしておくことで、効率よく良い答案を書くことができます。

作曲

試験会場で課題の動機を見てから曲の楽器編成や構成を考えていたのでは、限られた時間内に作品を仕上げることは困難です。あらかじめ、曲の全体的な構成、移行部のパターンなどをいくつか準備した上で、試験に臨んでください。入学試験で重視されるのは「基礎的な作曲技術」と「将来の可能性」なので、この段階では完璧な技術やすばらしい作品を要求しているわけではありません。それよりも、持続力と集中力、そして何よりも、音に対する感受性が重視されます。これらのことは、意識していなくても作品に現れるものなのです。自分が納得して音を選んでいるかどうかが大切です。

まとめ

たくさんの音楽を聴き、多くの曲を分析し、音楽的感性を養うとともに、一歩一歩着実に和声や対位法の勉強を積み上げていくことがもっとも大切です。がんばってください。

作曲デザイン

筆記試験

「楽典」の基礎的な内容が出題されます(音楽史は除く)。

なお、次の方は筆記試験が免除されます。
・音楽基礎科目認定テストで「楽典」の認定を得ている方
・高等学校音楽科、本学が認定した高等学校音楽コース、短期大学の音楽科、大学の音楽学部を卒業または卒業見込みの方

実技試験

音楽ジャンルは問いません。クラシック・ポピュラー・ジャズ等、自分が表現したい音楽で構いません。A~Cより選択してください。

A.創作演奏
演奏する楽器は、ピアノか電子オルガンです。
自作曲、もしくは自分の好きな曲を自由にアレンジして演奏してください。楽譜の提出は必要ありません。

B.作品提出
DAW(DTM)で制作したもの、又は演奏(編成は問わない)を録音したものを提出してください。
もしくは、楽譜での提出でも構いません。

C.小論文
試験当日、出題される2つのテーマに基づいて、小論文を書きます。サウンドデザインに関する内容について、日常から見識を深めておいてください。

口頭試問

実技試験での、作編曲・制作の過程について質問します。

ミュージッククリエーション

筆記試験(伴奏付け)と音楽通論

ミュージッククリエーション専攻では、筆記試験(伴奏付け)や音楽通論(一般選抜のみ)を課しており、それらを通じて、コードネーム等の基礎的な知識とハーモニー感覚、楽典の知識を問います。伴奏付けや音楽通論に初めて取り組む人は勉強方法について不安があるかもしれませんが、試験は基礎的な知識を問うものですので、初心者向けの教則本或いは、巷の音楽教室等にて得られる知識で十分対応可能です。

伴奏付けの試験では、メロディー(単旋律)に対してコード(和声)を付けてもらいます。五線紙に音符で和音を記譜しても構いませんし、コードネームだけでも結構です。試験場にはキーボードが用意されていますので、音を確認しながらコードを付けてください。ギターを弾く人で、普段タブ譜やコードダイヤグラムを使っている人は、五線譜の読み方やコードを構成する音について正しく理解した上で、実際にメロディーにコード付けをする練習を数多くこなしてください。練習に使用するメロディーですが、最初はソルフェージュの無伴奏視唱課題が無難です。付けたコードは自分で弾き歌いをしたり、DAWソフトを用いて打ち込んだり録音したりして、正しいかどうかを確認しながら練習をすると、上達の近道になります。
コード(和声)は、音楽制作において不可欠なスキルですので、本学が開催している「入試対策講座」に参加して学びを深めておくことをお勧めします。

音楽通論(一般選抜のみ)においては基礎的な楽典の知識やコードネームについて問います。
また、楽典は音楽制作の礎となる大切な知識ですので、本学が開催している「夏期・冬期講習会(有料)」に参加してしっかりと勉強し、入学までに身に付けておくことをお勧めします。

実技試験

  • 自由曲演奏
    得意とする楽器を自由に演奏(または歌唱)してください。オリジナルでもカバーでも構いません。楽器のみの演奏でも、弾き語りでも、マイナスワンもしくはカラオケに合わせての演奏・歌唱でも可能です。試験では演奏技術を見るというよりも、これまでにどのように音楽と接してきたか、音楽に対する貪欲さ、楽曲理解度を見ます。演奏曲のジャンルは問いません。また、自由曲演奏で「自作曲」を演奏する場合、「自作曲の楽譜」を資料として提出できます。

  • 作品提出
    DAWで制作したもの、或いはスタジオ等で演奏を録音したもの、或いは楽譜を提出してください。録音物に関してはオリジナルでもカバーでも構いませんが、楽譜での提出作品はオリジナルに限ります。録音物においては作曲技術や経験を(DAWで制作した作品に関してはDAWのテクニックも)、楽譜においては基本的な作曲技術を見ます。録音物の場合、自作自演でも自分以外の人の演奏でも構いません。いずれの提出形態においても、音楽のジャンルは問いません。また、DAWで制作する作品は、ジャンルによっては既存曲をサンプリング・再構成するといったリミックス作品の提出も可能です。

口頭試問

作品提出を選択した場合は作編曲・制作の過程について質問します。自由曲演奏を選択した場合は、作曲という観点(調性、構成、コードの工夫など)からの楽曲理解度、練習方法、演奏(歌唱)経験、演奏曲目を選んだ理由等について質問します。
また、いずれを選択した場合も、コードネームやオーケストラの構成楽器等、音楽の基礎的な知識についても質問します。

地域創生ミュージックマネジメント

課題提出

「自分の住んでいる地域のホールでのコンサート企画」をテーマに企画書を提出していただきます。
まず、自分の住んでいる地域の特徴(人口、地形、名産、文化資源など)や地域の抱える課題について調べてみましょう。
また、地域の文化施設でどのようなコンサートやイベントが開催されているのか、実際に足を運んでヒントを得るのもよいでしょう。
その上で、企画書には、いつ、どこで、誰が、何を、誰に向けて、どんな目的で行うコンサートなのか、なるべく具体的に書いてください。
「音楽で人と地域をつなぐ」オリジナルの企画を期待しています。

自己表現

自分が今最も強く感じていること、最も得意なこと、最も面白いと思うことを、相応しい方法で表現してください。
既成概念にとらわれない表現を期待しています。

口頭試問

提出した課題と自己表現について質問します。補足したいことがあれば、ここでお話してください。

ミュージックビジネス

専門課題

私たちの専攻に入学するための一番の条件は、「音楽が好き」なことです。
そして、その「好き」なことを、人々に様々な方法で伝えていくことを学ぶことが、ミュージックビジネスの原点です。
まずは、ジャンルにこだわらず、色々な音楽を聴いてみましょう。その中で出会ったアーティストを掘り下げて聴くことは、大事なことだと思います。そして、その楽曲やアーティストのどんなところが良かったのか、気に入ったのかを言葉にしてみましょう。
さらに、そのアーティストや楽曲の良さをどんな人に、どんな年齢層に、どんな言葉で、どんな方法を使って伝えていくのが一番伝わりやすいのかを、考えてみましょう。その時、伝えるためにふさわしいキャッチコピーを考えてみると良いかもしれません。人に伝えるということを、これまで以上に意識してください。
キャッチコピーを考えるには、音楽を聴くだけでは難しいかもしれません。友達とアーティストの話をしてみたり、映画を見たり、本を読んだり、もしかすると街を歩いている時に見かける看板などにアイデアが隠れているかもしれません。
試験に向けて、日頃から色々なことに興味を持ってみてください。

プレゼンテーションと口頭試問

提出されたプレゼン資料について、上で述べたような「どうして企画したのか」ということを中心に質問します。
人に伝えるということを意識して、自分の言葉で答えてくれることが大切なポイントです。

音響照明

専門課題

 舞台に立つ様々なアーティストを見て「今よりもっと輝かせてあげたい」、「そのためにはどうすれば良いのだろう?」こんな気持ちを持ち続けてほしいです。
 音楽が「好き」なことは当たり前だと思います。
人々に様々な方法で輝いたアーティストを見てもらいたいという気持ちを持つためには、ジャンルにこだわらず、色々な音楽を鑑賞してほしいと思います。その中で出会ったアーティストや楽曲に対して、自分なりの照明演出プランや音の表現プランなどを考えてみてください。
アーティストのどんなところを際立たせてあげたいと思ったのか、どのような表現方法を使うと人に伝わりやすいのか、いろいろ考え及ばせながら音と光の演出のプラン立てにチャレンジしていく気持ちを持ちましょう。

 さらに、そのアーティストや楽曲の良さを伝えるには、どんな方法が一番伝わりやすいのかを、考えてみましょう。
その時、伝えるためにふさわしい『色』を考えてみるのも良いかもしれません。人に伝えるということを、これまで以上に意識してみてください。
 色彩を考えるには、音楽を聴くだけでは難しいかもしれません。友達とアーティストのを話をしてみたり、映画を見たり、本を読んだり、もしかすると街を歩いている時に見かける看板などにアイデアが隠れているかもしれません。
試験に向けて、日頃から色々なことに興味を持って様々な切り口で物事を見る習慣をつけてみてください。

口頭試問

提出されたレポート課題ついて、上で述べたような「どうしてそう感じたのか」ということを中心に質問します。
人に伝えるということを意識して、自分の言葉で答えてくれることが大切なポイントです。

声楽

声楽の特徴

声楽には、ピアノなど楽器による演奏と比較すると、大きな違いや特徴があります。
身体自体が楽器であり、また、一人ひとりの差違が大きいこと(音色、音域、音量、肺活量など)。
楽器が目に見えないこと(そのために指導者の説明は抽象的、主観的になりがちです。たとえば、支え、お腹から声を出す、のどを開けるなどなど)。
声を出す道具に過ぎない諸器官を性能のよい楽器に育て上げる必要があること…などが挙げられます。
これらのことからも、専門の先生について正しい発声を学び、自分の声の特徴を知ることが大切です。先天的な素質や能力が大きく関わることも確かですが、練習次第で思いもかけない声が生まれてくる可能性も十分にあります。声楽の勉強は変声期を過ぎた高校生ぐらいから始める人が多いと思いますが、何歳になっても遅いということはありません。

さァ!歌ってみよう!

  • 声帯はわずか1センチ数ミリの小さな体の一部の器官です。長時間の練習などで痛めたりしないように注意しましょう。また、高音を出すことを急いではいけません。まずは、中音の正しい発声を身につけてください。呼吸法も併せて勉強しましょう。低音域は、年齢とともに安定します。
  • コンコーネなどの練習曲を併用することをお勧めします。それぞれの曲の目的を理解し、どれだけ進んだかよりも、どのように歌えるようになったかを意識してください。
具体的な練習方法のお勧め
  • イタリア歌曲は、まず、詩(原語)をゆっくり口にしましょう。日本語の母音に比較的近いとはいえ、やはり外国語です。とくにU母音や、RとLの違い、Nの響きの位置や二重子音などにも十分注意を払ってください。
  • 次に、一息分くらいのフレーズ単位をくり返してみましょう。特に難しい箇所は納得いくまで何度も何度もです。基本的なレガート唱法を身につけるため、母音のみによる歌唱も試みてください。
  • 反復の辛抱強さと、その中で、何かを身につけていける知性が、声楽の最も大切な資質であり、上達の近道でもあります。
  • 人の心を打つ演奏をするためには、深く豊かな理解力と感受性が欠かせません。普段から音楽はもちろん、できるだけ多くの文学作品(特に、詩、短歌、俳句などの韻文)や、優れた絵画などに多く触れることをお勧めします。
  • 前述にもありますが、特に初歩の段階では、信頼のおける専門の先生の協力が必要なのは言うまでもありません。

ピアノ

皆さん、音楽会にはよく行かれますか?CDで聴くことはもちろんですが、機会があれば音楽会に足を運び、生の音楽を聴いてください。それと同時に音楽以外のすばらしい芸術作品にも触れ、日頃から豊かな感性を養っておくようにしましょう。演奏する曲が決まったら、作曲家の生涯やその作風、曲の形式、作曲された時代背景を調べてみましょう。出版社によって、音、指使い、表情記号などが違うことがありますから、いろいろな版を比較検討することも大切です。

課題曲の練習を始めましょう

  1. ゆっくり譜読みをして、特に音符の長さ、休符、指使い、ペダル、その他の記号などを正しく読んでください。もちろん片手練習も大切です。
  2. 暗譜も同時におこなっていきます。
  3. 苦手な部分を見つけて、適切な練習方法で何回も徹底して練習し、欠点を克服してスムーズに演奏できるようにしてください。
  4. 楽譜に書かれている記号や楽語を理解し、作品のイメージをふくらませましょう。
  5. メロディと伴奏、和声の中の旋律、またペダルによる響きなど、自分の音に耳を傾け、全体にバランスのよい音楽になるように注意しながら、練習をしましょう。
  6. 曲が仕上がってきたら、演奏するときの息使いや、自分が感じる音楽をどのように表現すると自然な流れになるか考えてみましょう。
  7. 自分の演奏を客観的に聴くことは難しいので、録音して聴いてみると良いでしょう。そして、入学試験までに何回か人前で演奏することを奨めます。

良い練習方法は、良い演奏につながります

最後に楽譜を見ながら、音楽の流れや注意する事柄を確認しましょう。

管弦打

本学へ入学するには

将来を見据えた基礎能力を身につけることが大切です。専門実技の試験では、受験生のその日の出来を評価するのではなく「基礎力」「将来性」を見極めています。つまり、本学に入学して確実に上達していく「力」を有しているかを見極めているのです。ですから、みなさんは受験に向っての日々の積み重ねの中で、正しい奏法による美しい音色、正確な音程、テンポ感、リズム感などの「基礎力」をしっかりと磨き、身につけていく努力を怠らないようにすることを第一に考えてください。また、くり返しの練習はもとより、日々、よりよい音を求めての「向上心」「探究心」を持ち続けることも大切な要素です。本学には、あなたに合った入学方法がきっとあると思います。ホームページをしっかり確認して、わからないことがあれば何でもご質問ください。

基礎力を身につける

「基礎力」とは単に楽器を演奏する技術だけでなく、美しい音か?音程は?リズムは?などを確認する能力が身についているかどうかも、ひとつの大きな要素です。本学では夏期と冬期に「講習会」、日時や教員を自由にえらべる「キャンパスレッスン」、初めて個人レッスンを受ける方におすすめな無料体験レッスン「トライアルレッスン」などを開催しています。このような機会を利用して、ぜひとも自分の「基礎力」を確認してみてください。
また、合否の判断に際して、とても重要な位置を占めるのが基礎能力を見極める「音楽基礎科目」です(大学のみ)。
音楽基礎科目とは「ソルフェージュ」「楽典」「鍵盤楽器」の3つの科目のことです。せっかく実技のレベルが合格に達していても、音楽基礎科目の成績如何では涙の結果になることもあります。音楽基礎科目をつまらないモノと考えず、あなたの音楽力のバロメーターとして、しっかりと取り組んでください。「基礎力」が身につけばつくほど、実技の上達にも効果が期待でき、合格への道が確実に見えてきます。
大学・短大・大学院を擁した関西唯一の音楽単科大学として100年以上の歴史を持つ本学の門を、あなたもくぐってみませんか。

ギター・マンドリン

入試課題は技術的にも音楽的にもレベルを幅広く設定しています。技術的に難しい曲を選択したから有利、簡単な曲を選択したから不利ということはありません。自分のレベルにふさわしい曲を選択し技術的に安定し音楽的な表現がたっぷり盛り込まれた演奏を目指してください。

練習のポイント

【クラシックギター】
右手の技術ではアポヤンドでもアルアイレでもピアノからフォルテの表現が出来るようにしてください。これはスケール、アルペジオ、トレモロまたは和音の時すべてで自由にコントロールできるようにしましょう。特に多く見受けられる問題点はスケールを弾く時に“指の運動”ではなく“腕の運動”で弾いてしまっている人がいることです。和音の速い連打の時は腕を使うことがありますが、スケールは指の交互運動で弾くように習慣づけてください。
左手は必要以上に強く押さえている人がいます。無駄な力を入れず、弦を押さえている指先が弦からあまり遠くに離れないように出来るだけ小さな動きで弾けるようにしましょう。

【マンドリン】
独奏であることを意識し、自分で楽譜から音楽を読み取り表現するように心がけてください。そして、幅広い表現力を身につけるため、右手のタッチに注意しましょう。ダウンのみで楽器のボディをよく響かせられること、又発音後に右手の力が抜けて発音前の状態に戻っているようにしましょう。その上で、フォルテからピアノの強弱表現や音色変化を意識します。楽器が響く良いタッチを続けることが、良いトレモロに繋がります。
左手は指の角度に注意することで両方の複弦を押さえ、不要な力を使わないようにします。和音を繋げて弾くよう注意することで、左指の独立性を練習できます。

音楽的にはまず楽譜に示されている強弱や表情記号を守りましょう。出来れば何故そのような記号が付いているのかも考えてみましょう。指示のないところは何もしなくても良いというわけではありません。メロディーを声に出してみるなどして、フレーズのこともよく考えてみましょう。
以上のことが全て出来ればよいのですが、この様な基礎的な技術の習得には時間がかかります。大学に入学してからもこの様な基礎的なことをしっかりと学びますので安心してください。ただし入試課題を練習する時に以上のようなことを考えながら練習しておくと入学後もレッスンがスピードアップすると思います。

邦楽

邦楽には、各流派によってさまざまな曲があり、同じ曲でも派によって解釈が異なっている場合もあります。しかし、どの流派やどんな作品でも、基礎をしっかり固めておくことが良い演奏につながります。
入試の審査では、課題曲の仕上がりだけでなく、曲を通して皆さんの基礎力も聴いています。曲の雰囲気や気分だけに流されない、きっちりした演奏ができるよう心がけてください。

課題曲の十分な練習を

楽譜に指定されている奏法ができているか、拍子が正確に取れているか、歌のあるものについては声の大きさ、歌詞の明瞭さ、発声が適切かなど、基礎的なことをしっかりチェックしてください。特にテンポはひとりで演奏するとき、得意なところは速く、苦手なところは遅くなりがちになるので注意してください。
その上で、音色に耳を傾け、練習で身につけたことが曲の表現に生かされているかを注意して曲を仕上げていってください。

:調絃を迅速・正確に。音をしっかり出す。特に押し手の音程に注意。
三絃:調絃を迅速・正確に。ツボをはずさないように。ハジキの音に注意。
尺八:音程を正確に。音量のコントロール。運指の正確さ。

本学では「夏期講習会・冬期講習会」、また「キャンパスレッスン」「トライアルレッスン」も開催しています。この機会を利用し、日々の練習での悩みを相談したり、スキルアップへのアドバイスを受けてみてください。
日々の取り組みがいい演奏につながります。あせらずにしっかり練習を積み重ねましょう。

ジャズ

各楽器共通のアドバイス

ジャズ専攻、ジャズ・コースでは管楽器(フルート、クラリネット、サクソフォーン、トランペット、トロンボーン)、弦楽器(ギター、ベース)、鍵盤楽器(ピアノ)、打楽器(ドラムス)といった多種の楽器のプレイヤーを募集しています。
実際には、それぞれの楽器ごとに異なったアドバイスをする必要があるのですが、ここではすべての楽器に共通した事柄についてお話します。

入学試験においては、基本的な演奏技術を習得しているかを中心に判定します。つまり、リズムの安定感や、音程、アーティキュレーション、ダイナミックスなどの基礎的表現ができているかを聴きます。
いわゆるジャズ的な表現に関してですが、判定にあたって、入試の時点でのジャズ経験についてはあまり重要視していません。誤った解釈で無理にジャズ的な表現を強調した演奏をするのではなく、その時点でできることを素直に聴かせてください。どうしても不安が残るという場合は、本学の「夏期講習会・冬期講習会」で専門のレッスンを受けてみることをお勧めします。

ポピュラーエンターテインメント〈シンガーソングライティング〉

入試での重要な採点ポイントは、自作曲(他作曲でも可)、弾き語りによる演奏、パフォーマンス力を重視します。
筆記試験では基本的なポピュラー楽典、リズム、Key(調)、Chord(和音)などの知識を問います。

弾き語り演奏

自作・他作は問いませんが、できれば自作曲が望ましいです。他作曲を演奏される場合は自分に合った曲でアピールしてください。
歌唱力、伴奏力、パフォーマンス力に気を配りましょう。
ピアノ、ギター以外の楽器での弾き語りもOKです。例えば自作のカラオケトラックでの歌唱もOKです。

口頭試問

口頭試問では、実技試験の内容について質問します。自作曲の場合ではどういった曲なのか、制作手順などについてお聞きします。
カバー曲の場合は、選曲の理由、練習したポイントなどをお聞きします。

ポピュラーエンターテインメント〈ヴォーカルパフォーマンス〉

まず、重要なことは、受験生個々の音楽嗜好や歌唱スタイルにあった曲を課題曲から選ぶことです。練習資料としてオリジナル音源を聴くことは必須です。
次に、ヴォーカリストにとって、調の設定は非常に重要です。自身の音域を考慮し、原曲の調を中心に、キーを変える場合は、2度(長、短)程度、上下に設定するのが適切と考えます。歌詞の英語発音の練習は、滑らかに歌詞を読むことから始め、無声音と有声音を使い分け、口形にとらわれ過ぎないで、口の周りの緊張を取るようにしてください。
メロディーはフレーズ(楽句)によって構成されています。フレーズ練習は特に重要です。フレーズ練習の要点は、強弱やアクセント、音の長さなどの歌い方を、原曲を模倣することから始めましょう。
高音域の長時間練習は、声帯をいため、疲労による音程変化はかえって逆効果になります。適切な時間間隔の反復練習が効果的です。練習中は常に録音することを心がけ、プレイバックを聴くことを通して、原曲と聴き比べながら自身の欠点を自覚し、修正してください。

初見視唱(大学のみ)

短時間で譜読みする力、自分の意思でどの程度表現が出来るか基礎的な力を知るためのものです。
練習方法は、選んだ問題を30秒から1分程度黙読し、頭の中で歌えるようにする。楽譜に書かれている音符と自分の中の音のイメージを一致させるように!そして、実際に声に出してみる。
歌い終わったら音程が取りにくかった所やリズムが取りにくかった所をピアノなどを使って確認、練習しましょう。
読譜は慣れです、続ければ必ず慣れていきます。

ポピュラーエンターテインメント〈ポピュラーインストゥルメント〉

入試での重要な採点ポイントは、基礎的技術と楽曲の理解、正確なテンポの保持、演奏アイディアなどです。
ギター、ベースは、コードネームによる演奏ができることが望まれます。
ピアノ&キーボード、サックス&フルートはある程度の読譜力、ドラムス&パーカッションはある程度のリズム譜の読譜力が望まれます。
各楽器のアドバイスは以下をご覧ください。
大学志願者のみ、ポピュラー音楽に関する基礎的な事柄(専門楽器の知識やコードネームの知識等)について質問します。

【ギター&ベース】
ピッキングのアップダウン、ベースでは異なる指の音量バランスが大切です。常にチューニング・メーターなどで確認しながら、正しくチューニングされた楽器で練習しましょう。

【ピアノ&キーボード】
メロディーの情感やコードバッキングの正確さを大切にし、適切なテンポで練習してください。

【ドラムス】
手足の音量バランスを整え、手足のリズムのずれをなくし、他の楽器との音量バランスに注意してください。基本打法ではメトロノームなどを用いて正確なテンポキープを心がけてください。
各楽器とも、練習中は常に録音することを心がけ、プレイバックを聴くことを通して、自身の欠点を自覚し、原曲と聴き比べたり、アドバイスを受けたりすることにより、欠点を修正してください。

【サックス&フルート】
基本奏法をしっかりと練習し、演奏するメロディーに色々な装飾音を加えて、情感を表現する事が大切です。特にポピュラー音楽では、リズム感がとても重要なので、メトロノームなどを用いて性格なテンポキープを心がけてください。


ミュージカル

ミュージカル俳優を目指す方々へ

ミュージカル俳優は自分の身体を客席に感動を与える楽器として、日頃から鍛えていかなければなりません。ですから我々は受験生の皆さんの「楽器としての可能性」を審査します。日頃からミュージカルはもちろん、映画やお芝居を観、音楽を聴き、本を読み、表現の基礎となる知性と感性を磨いておいてください。そして声を出すことに慣れ、身体能力を高めておいてください。
あなたの飾らない「素顔」、あなたがこれまで勉強してきた「努力」、そしてミュージカル俳優として表現したいというあなたの「意欲」を見せて頂きます。歌唱・ダンス・演技のうち、どれか一つでも構いません。積極的にあなたをアピールして欲しいと思います。

音楽基礎科目「ソルフェージュ」

「聴音」と「視唱」を学ぶ意義について

入学試験では、「旋律聴音」と「新曲視唱」が課されています。みなさんが耳にする音楽は、クラシック音楽であれ、ポピュラー音楽であれ、その多くが楽譜に記されています。音楽家にとって、楽譜を正しく読んで実際の音楽にしていく力は大変重要です。そのための基礎訓練として、「視唱」と「聴音」があります。
「視唱」では、新曲を正しい音程やリズムで歌うことに加え、いかに音楽的に表現できるかということも大切です。「聴音」では、聴いた旋律を正しく記譜することにより、音楽を理論的に理解することができます。
ソルフェージュの能力を高めることは、専門実技での譜読みや練習を容易にするだけでなく、演奏での表現力を深めることにもつながります。
受験生のみなさんにはこれらのことをよく理解していただき、「聴音」や「視唱」の力を身につけ、受験に備えてください。

「聴音」や「視唱」の練習方法について

  • 視唱課題は覚えるまで何度も歌い、覚えた後にそれを楽譜に書いてみましょう。同様の方法で多くの課題をくり返し練習すれば、音程やリズムなど、旋律と楽譜の関係が理解できるようになります。
  • 聴音課題は、はじめに小節線を引き、その後、指などでしっかり拍をとりながら、まず、1拍目の音を書き取っていくことをお勧めします。この方法だと、途中からでも書き取ることができます。
  • リズムは、単純拍子・複合拍子でそれぞれよく使われるリズムパターンがあります。リズム打ちや記譜をしてパターンとして覚えましょう。
  • 聴音で、間違った部分は消してしまわず、正解と照らし合わせて、何が理解できていなかったのかを把握しましょう。間違いと正解の両方を歌ったり、演奏したりして確認しましょう。
  • 音階を正しく理解しましょう。調号(五線の音部記号の次に書かれる、その曲の調を示す♯や♭)の意味を理解して、書けるようにしましょう。

音楽基礎科目「楽典」

「音程」が基礎

楽典を学ぶ上で、基礎となるのが「音程」です。「音階」「調」「和音」は、「音程」を学んで、はじめて理解することができます。その意味で、「音程」を速く、正確に読み書きできることが大切です。音程の判別のスピードを上げるのは、繰り返しの練習です。テキストの問題を解くことも大切ですが、皆さんが練習している曲の楽譜に基づいて任意の2音の音程を考えたり、ピアノなどの鍵盤楽器から出る音の響きをよく聴いて音程を判別したりする練習もしてください。このことは入学してからの学習に役立ちます。「音程」が理解できれば、次に「音階」「調」「和音」などの勉強に進みますが、基礎となる「音程」がしっかり身についていれば、たやすく理解できるはずです。

解答の注意点

楽典の問題を解く上での注意点を挙げます。
  • 設問の内容と条件をよく理解して答えてください。
  • 記譜に際して、音符や調号を正しい位置に、はみ出さないように書きましょう。
  • 漢字などの文字に間違いがないように、正確に書いてください。
楽典は、音楽を理解し、演奏しようとする人にとって必要不可欠なものです。十分に勉強してください。

音楽基礎科目「鍵盤楽器」

“継続は力なり”

皆さんご存知のことわざにもあるように、毎日の練習の積み重ねは、ピアノを弾く上で何よりも大切です。もう一度自分に問いかけてみてください。

曲選びを大切に!

どうしてこの曲を選んだのかしら?と思われるケースが、試験の際に見受けられます。無理して背伸びした曲を選んだりはしていませんか?自分の進度にあった選曲を心がけてください。

楽譜をじっくりながめていますか?

音符だけではなく、指使いやダイナミクス、テンポ感など…。
じっくり、丁寧に、注意深く!
楽譜はきっと何かを気づかせてくれるはずです。

イメージしていますか?

もしも主専攻で奏でるのなら、どんな風に歌わせるだろうか。
声楽の呼吸や、管楽器のタンギング等…
ピアノを弾くときにも、ぜひイメージしてみましょう。
子供の頃からピアノに慣れ親しんできた人、音大受験を決めてから急に勉強を始めた人など、スタートの時期はそれぞれだと思いますが、手・指の形についても今一度見つめなおして、自分の音をよく聴くことから始めましょう。
気持ちも行動もポジティブに、日々の練習に向ってください。“継続は力なり”です。

面接

本学は、すべての入学者選抜において面接を試験科目として実施します。

面接時間は、総合型・学校推薦型・後期総合型の各選抜では約10分間(冒頭3分以内の自己PRシートに基づくプレゼンテーションの時間を含みます)。
一般選抜では約5分間です(プレゼンテーションの時間は設けません)。

すべての選抜試験における面接では、自己PRシートに記載された「志望理由」「学校での学習や課外活動歴」「大学入学後の学修計画」に基づいて、2人の教員が質問します。このため自己PRシートはできるだけ具体的に詳しく書くようにしてください。
本学での面接は、志願者の人物、意欲、将来性を見るだけではなく、面接自体を大学生になる心構えの場として実施します。自己PRシートに記載された事柄以外について尋ねることもあるので、マニュアル的な受け答えではなく、自分の人間性が伝わるように、自分の言葉でそして自然体で話してください。

プレゼンテーションについて

プレゼンテーションについては、自己PRシートに記した内容を踏まえて口頭のみで自己アピールをしてください。
パソコン等の電子機器や説明のための資料の持ち込みはできません。

小論文

小論文課題では、設問に対するみなさんの意見とその理由や根拠を、読み手に伝わるように順序立てて説明することが求められます。本学の課題では、みなさんの意見の正しさを評価するのではなく、所定の時間と文字数の範囲で、どのように自分の主張を提示・展開し、読み手に伝えようとしているのかを評価します。以下に小論文課題の重要な点について説明します。

1.設問と課題の文章の主旨を読み取る

みなさんが優れた構成力で独創的な主張を展開する文章を書いたとしても、それが設問に応えるものでなければ意味がありません。小論文課題においては、まず設問とそれに続く文章を読み、求められていることを正確に把握しなければなりません。このため、最初に読むときに重要と思われる語句をチェックし、読み終えた後にその部分を確認しながら、もう一度読み返すことで設問と課題の文章の主旨、またその対応関係への理解が深まります。

2.主観的な感想ではなく、客観性のある意見を書く

小論文では、設問で指定された事柄について単に感想を書くのではなく、自分の意見を主張し、その理由や根拠を明らかにすることが求められます。
例えば、ある事柄についての善し悪しを述べる場合でも、「善い」「悪い」の判断に理由や根拠が伴っていなければ、読み手はあなたの主張にどの程度の妥当性があるのかを判断できません。どの点が善くて、どの点が善くないかを掘り下げて分別するとともに、その理由や根拠をできる限り客観的に述べることが大切です。

3.記述の順序を組み立て、全体としてまとまりのある文章にする

小論文の全体をどのように組み立てるかを考えずにいきなり書き始めてしまうと、まとまりがつかなくなりがちです。また、書いたり消したりを繰り返すうちに時間が過ぎ、未完成に終わってしまうかもしれません。
指定文字数の範囲で読み手に明確に伝わる内容とするためには、主張とその理由や根拠を順序よく組み立てる必要があります。このことは論理的に筋道を立てて説明することの基本的なスキルであり、小論文の書き方の重要なポイントです。ここでは、一例として「序論・本論・結論」の三段構成による書き方を説明します。

1) 最初に序論として、問題設定をし、主張の概要や結論への方向性を示します。書き始める前に設問とそれに伴う文章について考えられる事柄を、「本当にそうなのか」「なぜそうなるのか」といった疑問を含めて、問題用紙等の余白や裏面にメモをとります。その中から具体的な例に基づいて複数の視点から考察でき、かつ、自分の主張を的確にまとめられる事柄を論点として選びます。

2) 次に本論として、主張の理由や根拠を、具体例を挙げながら述べます。あるいは、敢えて自分の主張の弱点や異なる見解を取り上げて、それに対する検証や反論を書きながら結論へ導きます。

3) 最後に結論として、本論における理由付けや検証をもとに、自分の主張を明確に述べます。

4.その他の注意点

小論文には上記以外の形式もありますが、いずれの形式を用いても文章全体の流れを整え、分かりやすくまとめることが必要です。このため次の事柄にも注意してください。

1) 一つ一つの文が長くなり過ぎないようにする。
2) 文と文との関係が明らかになるようにする。
3) 内容のまとまりごとに適切な段落を設ける。
4) 書き始める前に文章の構成区分ごとの、おおよその文字数を決めておく。

小論文の作成技術や論述力はすぐには習得できません。日頃から本・新聞・雑誌を読み、あるいはインターネットの情報に関して、自分の考えを書いてまとめる練習を積み重ねることが大切です。

国語

本学が入学試験で「国語」を課している理由は二つあります。一つは、小学校から高校までの学校教育の中で授業にどれだけ真面目に取り組んできたのかを見るには、「国語」が最も適切な科目であると考えられるからです。もう一つは、日本語を「聞き」「読み」「書き」「話す」能力という日本語力が最も基礎的な能力であるからです。
大学では多くの講義が開設されており、学問的教養を身につけるためにも、専門的能力をさらに伸ばすためにも、日本語力が必要になります。このような意味で日本語力は大切であるという考えを普段から持ってほしいと思います。

出題傾向

入試要項に「国語総合と国語表現I(古文・漢文を除く)」と記載されているように、出題は現代文に限定されています。
出題数は二問ないし三問で、原則として、エッセイ、随筆、論説的な文章や新聞のコラムなどの文章が題材になっています。これらの文章を正しく読み、そして理解した上で、設問に答えることになります。設問には記述式と選択式があります。記述式では解答に対応したスペースが解答用紙に用意されています。たとえば、欄外にはみだしたり、極端に小さな字で書かないようにしてください。

勉強方法

日本語力をつけるためには、日頃から語彙を増やすことに努めてください。つまり、基本的な漢字や熟語、慣用的な表現やことわざ、さらにはコンセンサスなどといった外来語なども含めて、それらの読み書きや意味、そしてその使用例も調べておくとよいでしょう。
そのためには、単行本、雑誌、教科書、新聞など、いろいろな文章を読むこと、そして、分からないかあるいは知らない語句などがあれば、辞書を引いて、意味だけでなく、例文も確認するようにしてください。
たとえば、新聞の社説を読む場合には、時代的な動きやその背景にある世界の政治や経済の動きを把握しておくことが必要になってきます。ただ漠然と読むのではなく、社説には主張がありますから、それがどこにあるのか、といった問題意識を持って読んでください。筆者の言いたいこと、それを説明したり、論じるために必要な具体例や引用の部分などが分かれば、段落ごとの構成を考え、全体の要約を書いてみるのもいい練習になるでしょう。

最後に

日本語力を身につけるためには幅広い知識が必要になります。日頃から文章を意識して読むということが習慣になれば、日本語力は必ず上がります。

英語

大阪音楽大学ならびに大阪音楽大学短期大学部入学者選抜における「英語」の出題範囲は、高等学校学習指導要領に沿った「コミュニケーション英語I」、「コミュニケーション英語II」および「英語表現I」となっています。
問題は、以下のように、リスニング問題、リーディング問題、文法・語法問題、英作文から構成されています。

リスニング問題

リスニング問題の形式は二つあり、一つは、英語のダイアローグ(対話、会話)を聞いてその内容に関する質問に答える問題です。
もう一つは、ダイアローグではなくモノローグの形式で、例えば、説明文や物語文の短いパッセージを聞いてその内容に関する質問に答える問題となります。
両方の形式とも、それぞれの質問に対して、3ないし4つの選択肢のなかから最も適当な答えを選びます。

リスニングの学習には、英語に日々接し英語の音に慣れることと、発音力を身につけることを常に意識してください。自分が発音できない音は、基本的に聞き取るのも難しいと考えられるからです。
また、ふだんネイティブスピーカーに接する機会がない方は、ラジオやテレビ、ネットなどを活用することをおすすめします。いわゆる英会話の番組を視聴して、あるいは、自分に合ったネット上のプログラムやスタディアプリなどを利用して、継続して学習してください。リスニング力に不安がある方は、英語の発音や音声変化、または英語の音がどのように聞こえるかについて学ぶことができる市販の音声教材や、検定試験対策のためのリスニング問題集に取り組むことも有益でしょう。

リーディング問題

リーディング問題は英文和訳が中心です。英語の長文を読み、下線が引かれた数ヶ所の英文を和訳するという、いわゆる下線部和訳問題です。
英文を和訳するには、何よりも英文の構成を理解しておく必要があります。例年、文の構成が理解できていないために、英単語をひとつずつ日本語に置きかえ、それらを並べるだけの解答が見られますが、それでは正解からかけ離れた答案となってしまいます。英文を日本語に直すときには、いわゆる文型や語順を理解したうえで、主語は何か、動詞は何か、その動詞はどのようなはたらきをしているか、その動詞は目的語や補語を必要としているか、句や節はどの部分にかかっているかなどを理解できているかが重要なポイントとなります。

もう一つ重要なのは、下線部の箇所だけを理解しようとするのではなく、その下線部の前後や、パラグラフのなかの文と文との関係や流れを把握しながら、下線部に何が書かれているのかを理解することです。さらに、文章全体の内容をつかみ、パラグラフとパラグラフの関係や展開を読み取ることも、下線部の内容を理解するときのヒントとなるに違いありません。
また、年度によっては、内容一致選択問題や、it やthat などの代名詞が何を指しているかを問う内容理解問題などが、英文和訳に加えて出題されることもあります。

勉強方法としては、これまで慣れ親しんできた英語教科書や、できれば、英文解釈のための問題集などを何度も読み直し、わからない箇所はその英文をノートに書き出し、英文の意味が理解できるまで学習することを心がけてください。


文法・語法問題

このセクションは、おもに文法や語法、語彙に関する理解度を問う問題で構成されています。具体的には、短い英文を読んで、その英文を完成させるときに空所に入る最も適当な語句を選択肢のなかから選ぶ問題となります。正答を選ぶには、文法や語法の知識だけではなく、英文の文脈を理解して、その英文が何を伝えようとしているかを把握することも必要です。

このセクションの対策として、教科書の学習で対応できますが、文法や語法の知識を整理するためにも、高校生用の総合的な参考書に取り組むのがいいでしょう。一冊仕上げれば、文法力や語法に関する力だけではなく、読む力や書く力も向上するにちがいありません。また、苦手意識のある方は、新しい問題集や参考書に取りかかるよりも、かつて学校で使っていた問題集や教材を繰り返し解いてみて、文法に関する基礎力を固め、語彙力を高めるように努めてください。

英作文

英作文は、2、3の日本語の文を英語に直します。内容は日常的な場面で使われる表現が中心となっています。
英語として正しく組み立てられた英文を書くために、日頃から教科書に出てくる定型表現や重要な表現をノートに書き写したり、何度も発話したりして、身につけておくことが必要です。また、複数の解答例が記載されている、あるいは、添削例が示されている英作文やライティングの問題集に取り組むことも、書く力を高めるのにとても有効です。

最後に

以上のように、全体的に本学の英語の試験は、基礎的な英語力を問うています。受験のための勉強としては、まず、教科書で学習した内容を繰り返し復習することを心がけてください。英語力に自信のない方は、効果的な英語の学習法や勉強の仕方を紹介している本やネット上の記事を読むことから始めてもいいかもしれません。さらに、一冊で十分ですから、英語の参考書あるいは問題集を仕上げてみましょう。そして毎日10分でもいいので、継続して英語学習に取り組むことも大切です。それらの活動を通じて、皆さんの総合的な英語力が高まり、英語や英語学習に対する理解がさらに深まることを願っています。