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Vol.11 一所懸命の力(キャスティング) (2020/3/7)




学生に限らず、自分がどの役をやるのか(キャスティング)は俳優にとって一大事。
自分がやりたいと強く願う役もあるし、少しでもいい役がやれれば嬉しい。それが俳優。
だが、役は俳優のものではない。観客のものである。

「その登場人物を演ずるにふさわしい俳優をキャスティングする」

が基本。これはプロでも学生でも同じ。
我々の場合、オーディションで公募するわけではなく、ミュージカルコースで学ぶ学生の中から選ぶ。歌唱力、演技力、ダンス力。これらが考慮の基準となる。身長等の体格も考慮する。ただし、1年生、2年生という学年は関係ない。事実、毎年、いわゆる主役に1年生がキャスティングされる。私は常々学生にこう言っている。

「俳優の仕事は作品に貢献すること」

観客から見れば「主役」や「脇役」はある。しかし、創る我々に「主役、脇役」の区別はない。あるのは「登場人物」だけである。
一般社会で考えてみる。例えば職場。目立つ仕事をする人がいる。だが、地味な仕事をする人もいる。外から見れば華々しく仕事をする人物が目を引くだろうが、職場や組織というものはそういった人間だけでは成り立たない。所属するあらゆる人間が自分の与えられた仕事をきちんと行うことで成り立つのが、良い職場、強い組織だろう。

「与えられた場所で、自分の仕事を全うする」

ひとつの場所で懸命に努力する「一所懸命」が職場、組織で働く人間の基本。
ミュージカルコースの学生も同様。与えられた役をきちんとこなすために努力する。それが作品に貢献することであり、上演を成功させる道だ。
このことを毎年行われる年度末公演に俳優として参加する学生には、是非とも学んでほしいと思っている。卒業後に必ず役に立つ心構えだからだ。

さて、「湖底のブラームス」の公演が終わった。昨年9月の集中講義からおよそ半年間。学生らはそれぞれの役で「一所懸命」努力し、技(わざ)と心を磨き上げてきた。その成果は見事だった。我々の創る舞台は簡素だから、観客の目は俳優とストーリーにしか行かない。この作品で終幕に客席を涙させ、感動させたものはまさしく「一所懸命」努力を積み上げてきた学生らの力であった。拍手!