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TOP >  MB専攻の特徴 >  “音楽ビジネス”とは?リアルな仕事内容を公開!

“音楽ビジネス”とは?リアルな仕事内容を公開!



1. 楽曲のブランディング、プロモーションを手掛ける【いきものがかりの場合】


(株)ソニー・ミュージックレーベルズ 宣伝プロデューサー
梶 望 客員教授にお聞きしました!

宇多田ヒカル、AI、今井美樹、MIYAVI、GLIM SPANKY などの宣伝プロデュースを担当。宇多田ヒカルのレーベル移籍に伴い、ソニー・ミュージックレーベルズに入社。現在はEPICレコードジャパンにて宇多田ヒカル、いきものがかりを中心としたレーベル業務のほか、新規事業も兼務。

2021年3月21日(日)専攻オープンキャンパスの音楽業界特別講座「宇多田ヒカル、いきものがかりから見るレコード会社の仕事」に登壇


 レコード会社の中でCD制作を手掛ける「レーベル」のA&R ※1 は、アーティストの音作りをサポートする「制作」、作品のブランディングやプロモーションを手掛ける「宣伝」、流通の窓口になる「販売推進(促進)」と大きく3つの役割に分かれ、1つのチームとして動いていきます。私はその中の宣伝A&Rとして、宇多田ヒカルやいきものがかりを担当しています。

 現在のレコード業界はCD販売からネット配信に流通の比重が変化していますが、それらは手段の違いであり、私たちの仕事の本質である「リスナーに音楽を届ける」ということに変わりはありません。多種多様な聴き方をしている現代のリスナーに対し「このアーティストのリスナーはどういう聴き方をしているのか」「どのように届けると喜ばれるのか」を正しく理解すること、つまり、アーティストとリスナー双方のよき理解者であることが求められるようになっています。

 YouTuberが台頭したり、メディアや業界の仕組みのバランスが崩れたり、今はエンタテインメントビジネス全体が混とんとしている時代。逆に言えば、次の世の中の仕組みを作れば天下を取れるチャンスとも捉えられます。そういう意味では、これからエンタテインメント業界に飛び込んでくる若い人たちにとって、めちゃくちゃ面白い時代になるんじゃないかなと思っています。

※1:A&R=Artists and Repertoire(アーティスト・アンド・レパートリー)の略。アーティストの発掘・契約・育成とそのアーティストに合った楽曲の発掘・契約・制作を担当する役割。

仕事風景

2020年にSNSで話題となった4コマ漫画『100日後に死ぬワニ』とのコラボレーションによる書き下ろし曲「生きる」。8月2日(『ワニの日』)に実施した生配信ライブ『いきものがかり Volumetric LIVE ~生きる~』のひとコマ。ソニーが開発中のVolumetric Capture技術 ※2 を使用した世界初のライブとなった。
※2:Volumetric Capture技術=実世界空間をまるごと撮りこみ、後から自由に視点を動かして視聴することを可能にする自由視点映像技術の一つ。

いきものがかりのアルバムプロモーションでマクドナルドの店内放送で流れる番組収録の立ち合い。このように戦略をたてることから現場までA&Rの仕事は多岐にわたる。

ソニーストア各店舗で、Volumetric Capture技術や最新のスマートフォンなどの製品を用いた、ここでしか出来ない体験をいきものがかりの作品と共に展開する『いきものがかり「WHO?」Special Experience in Sony Store』を開催した。

いきものがかり

2006年のデビュー以降、数々のヒット曲を世に送り出している音楽ユニット。2020年4月、メンバー自らが代表を務める新会社「MOAI」を設立し新体制が発足したことに伴い、梶さんは宣伝A&Rとしてチームに参加することとなった。


2. アーティストをマネジメントする【きゃりーぱみゅぱみゅの場合】


アソビシステム(株)代表取締役
中川 悠介 客員教授にお聞きしました!

きゃりーぱみゅぱみゅなど世界で活躍するアーティストが所属するアソビシステムを創業。「青文字系カルチャー」の生みの親であり、原宿を拠点にクリエイティブなポップカルチャーを創造し、ライブイベントや各種メディアを通じて世界に発信し続けている。内閣官房「クールジャパン官民連携プラットフォーム」構成員も務める。

2021年2月21日(日)専攻オープンキャンパスの音楽業界特別講座「Kawaiiカルチャーの誕生と未来?」に登壇


 タレントのマネージャーというと「付き人」「雑用係」といったしんどい仕事と思われがちですが、本来の仕事はアーティストの才能や作品の価値を高め、どうやって世の中に広げていくかを考えること。アーティストとともに作品を作り上げるパートナーのような存在です。

 そうして世の中に発信した作品がラジオや有線から流れたり、ライブやフェスでお客さんが一緒に歌ったり踊ったりしている様子を見るのは、アーティストと同じように感動を味わえる瞬間であり、この仕事の醍醐味です。

 デジタル化が進む今の時代はメディアの分散化が進み、好きなアーティスト、好きな音楽も多様化しています。こうした時代にあって、アーティストが今まで以上に個性を求められるのと同時に、パートナーとしてプロデュースしていくアーティストマネジメントの価値が高まってくるのではないかと思っています。

 高校生のころからイベントを手掛けてきた私にとって、人を喜ばせることがビジネスになるエンタテインメントの仕事は夢のある世界。今注目しているのは2025年に開催予定の大阪万博です。世界が大阪に注目するタイミングをエンタテインメントのチャンスにするため、MB専攻の学生と一緒に「何ができるか」を考えていけると良いなと思います。

仕事風景

デビュー10周年を目前にした2021年1月、世界中を巻き込んだ新たな企みの発信地として、新たにライフスタイルレーベル「KRK LAB」を発足。音楽というカテゴリーのみならずプロデュースワークなど、きゃりーぱみゅぱみゅ自身がやりたいことを突き詰めていくための決意の場となる。

2020年はコロナ禍により、さまざまなフェスや全国ツアーが延期・中止に。こうした状況の中、ハロウィーン当日の10月31日に仮想ライブ空間「SHOWROOM」で初のオンラインライブ「Kyary Pamyu Pamyu Online Halloween Live 2020『THE FAMILY 10.31』」の生配信を実施。また公演後には、初めてのアフタートークイベントも開催した。

きゃりーぱみゅぱみゅがプロデュースした初のフレグランスブランド「🔗ノスタルジアシンドローム(Nostalgia Syndrome)」。プロジェクトは2020年2月に始動し、クラウドファンディングで販売した香水とボディクリームはいずれも500万円以上の支援金を得るほど注目を集めた。同年9月、正式にブランドとして立ち上げ、現在6点の製品を販売している。

きゃりーぱみゅぱみゅ

中川氏の主催するクラブイベントに、当時読者モデルとして活動していたきゃりーぱみゅぱみゅが出演したことをきっかけにマネジメントを手掛けるようになる。2013年2月から5月まで開催された初のワールドツアー「100% KPP WORLD TOUR」では世界13都市、19公演で28,000人を動員し、世界的な人気を不動のものにした。


3. アーティストと観客の架け橋になる【SHE'S 10th Anniversary「From19」の場合】


(株)サウンドクリエーター制作部
八木香菜子さんにお聞きしました!

本学ピアノ専攻卒業生です!(2008年度)

社内に4つある制作班の1班「八木ルーム」の統括をしている。小さなライブハウスからドームまで会場の規模はさまざまだが「向き合う気持ちに規模の大きさは関係ない」。担当になったアーティストとは近すぎず離れすぎず、絶妙な距離感を保ちながら、求められればライブに関する意見も伝える。「彼らがステップアップしていくプロセスを目の当たりにできることにやりがいを感じる」と話す。


バンド結成10周年・メジャーデビュー5周年を迎えるSHE'Sが、今年2月22日に出身地の大阪府吹田市(メイシアター)で開催した周年キックオフ公演。SHE’Sのイメージカラーである青色でステージが彩られた。会場への入場者数は制限されたが、生配信(一部は無料)も行われた。


 コンサートプロモーターは全国各地に点在しており、当社は関西2府4県で開催されるコンサートの企画・運営を担っています。ひと口に「コンサートの企画・運営」と言っても業務の幅は広く、会場の確保からチケットのプロモーション考案、アーティスト・スタッフの宿泊や移動手段、食事の手配など数えるとキリがありません。

 そうした準備は公演日の1~2年前から始まり、常に複数の案件が同時進行で動くので体力的・精神的にハードなのは事実。でも、本番でアーティストがステージに上がった瞬間、多くの歓声を聴くと、それまでのしんどさは吹き飛び、涙が出そうなぐらい感動します。この時だけは業務連絡用のインカムを外して歓声を聴くようにしています。

 ライブを開催してこその仕事だけに、新型コロナウイルスの影響で公演が激減したのは大変ショックでした。ライブ配信も行っていますが、“生もの”であるライブの感動は何ものにも変えられるものではないと思っています。ようやく再開しつつあるライブで「すごく楽しかった」「これであと2カ月頑張れる」というお客さまの反応を見ていると、ライブ自体は今後も絶対になくならないと確信が持てます。非現実的な空間を味わえるライブの魅力を発信していくことが、これからの私たちの使命だと感じています。

仕事風景

歓声や声援を送ることが禁止される中でも生の演奏を求めて会場に足を運ぶファンの姿から、「ライブの価値」を改めて感じる。

公演当日はチームの統括として会場内の動線や掲示物など会場全体に目を配り、必要に応じてスタッフに声をかける。

会場に到着したアーティストのお出迎えから、ライブ終了後のお見送りまで、当日のアテンドもプロモーターの役割。

SHE’S

大阪出身のピアノロックバンド。2016年6月にメジャーデビュー。今年2月発売のシングル「追い風」がフジテレビ系ドラマ「青のSP―学校内警察・嶋田隆平―」エンディングテーマに起用されるなど、タイアップ曲も多数。

photo by HAYASHI MACO

4. 音楽コラボアプリを開発する【nanaの場合】


(株)nana music代表取締役社長
文原 明臣 客員准教授にお聞きしました!

ITを用いた、より良い音楽の在り方を構想し、nana music Inc.を創業。2013年4月にnana musicの日本法人である(株)nana musicを設立し、米国法人から日本法人へ本社移管。

2021年6月20日(日)専攻オープンキャンパスの音楽業界特別講座「起業マインドを教えて」に登壇


音楽コラボSNS「nana」。スマートフォン1つでいつでも、どこでも、誰とでも音・音楽でつながることができるアプリケーション。


 私たちが開発したアプリ「🔗nana」の着眼点は「We Are The World ※」。たくさんの人と音楽を作り上げる楽しさを世界中の人と共有できたら面白いだろうなというアイデアから始まりました。

 私自身はエンジニアでもデザイナーでもないので、一番初めに取り組んだのは仲間集め。アプリの構想をSNSで発信し、OSのエンジニア、サーバーのエンジニア、デザイナーと私の4人が創業メンバーとなりました。

 アプリはストアがあるので流通面で困ることはありませんが、流通のハードルが低い分、競争も激しい。nanaは“口コミ”を重視し、録音した音声を投稿するときは、自分のSNSでシェアをする。シェアするとそれを見たフォロワーが拡散する――ユーザーがユーザーを生むという仕組みを取り入れました。リリースの段階では10代を狙っていたわけではありませんが、結果的に若年層が使ってくれているのはすごくうれしいことです。

 インターネットの普及により、CDによる流通から、Spotifyなどのプラットフォームによる配信へと音楽のビジネスモデルは変化しました。テクノロジーが人々の生活に浸透し、求められている以上、その進化が止まることはありません。音楽の価値を高めて、収益化するため、テクノロジーの“本流”を学ぶことが大事だと思います。

※We Are The World=1985年、アフリカの飢餓と貧困層を解消する目的で作られたキャンペーンソング。当時の世界のポップス界を代表する45人のアーティストが、ハリウッドのスタジオに集結してレコーディングされた。

仕事風景

公式オフ会「nanaるday」を全国各地で開催。新しいユーザーと出会い、各地でコミュニティーができていきます。

オフィスで働く社員の様子。フリーでオープンな環境の中、メンバー同士の気軽なコミュニケーションを促進しています。

新規事業として展開を始めている「🔗eech」。楽器学習の練習教材や練習の様子を動画という形で誰でも投稿することができ、お互いに楽しみながら学び合える練習コミュニティサービス。

nana

2012年8月にサービス開始した音楽を中心としたSNSアプリ。他のユーザーの歌唱や演奏に、自らの歌唱や演奏を重ねる形でアップロードするコラボレーション機能に特徴がある。ユーザーの半数以上が若年層であり、海外ユーザー比率が30%以上となっている。