101年目に向けた新たな挑戦

本学は関西唯一の音楽単科大学として誕生以来、作曲家や実演家、教育者の育成を通じ、音楽による社会的貢献のできる人材の輩出をめざしてきた。しかし創立から100年の時を経て音楽環境も著しく変わり、少子化、長引く不透明な経済状況など、本学を取り巻く情勢は一変した。これまでにも本学は日本の音楽大学で初めてジャズ・ポピュラー部門を導入するなど、極めて柔軟に若者の音楽志向の多様化に対応しつつ、新分野へアカデミックな教育の開拓を行ってきた。だが、今後の日本の音楽文化を展望し、一層の難局を打開するため、2014年(平成26年)、さらに新たな発想で2年後の2016年度より、大学に2つの専攻を開設することを決定した。「ミュージッククリエーション」と「ミュージックコミュニケーション」である。「音楽で、はたらこう。」をコンセプトに、キャリアを意識した教育の実施をめざすこととなった。

「ミュージッククリエーション」は商業音楽のクリエーター養成を目的としており、クラシック音楽の作曲技法をベースに、コンピューターを駆使して映画やCM、ゲーム、ポピュラー音楽など多様な音楽の創造を学ぶ。本学で学ぶ最大のメリットは、あらゆる音楽に応用できるクラシック音楽の基礎を習得できることである。理論と感性の両面から創作することによって楽曲に深みが増し、商業音楽家としてより幅広いリクエストに対応することが可能となる。さらに音楽大学ならではの豊富な音楽科目を選択することで、曲を生み出すヒントを多く得ることができる。

「ミュージックコミュニケーション」は既存の音楽学専攻をリニューアルするもので、音楽の専門的知識を身につけ、音楽で人や社会をつなぐ、コミュニケーションの場を生み出すことのできる人材育成を目的とする。具体的にはイベントのプロデューサーやプランナー、音楽マネージャー、音楽評論家、レコード会社スタッフなど、多岐の分野で活躍する音楽産業人である。例えば現在全国の自治体で指定管理者制度をとるホールが多数あるが、実際にその任に当たる人材不足は課題となっている。こうした社会的ニーズに応え、文化振興の担い手を育てるべく、この専攻では、「音楽あふれるまち」を標榜して「とよなか音楽月間」などを開催する地元の豊中市と連携し、イベントの企画や運営などを実地で学ぶ授業も取り入れている。また、演奏能力は問わないので、専門的な音楽教育を受けたことはなくても音楽関係の就職を希望する人に適している。なおこの専攻の開設に伴い、2016年度に音楽学専攻の募集は停止することになった。

いずれも実践的なカリキュラムによって、これからの音楽産業界で需要の見込まれる「音楽で働く」即戦力を社会に送り出すことを目標としている。それには一方でたゆまぬ努力によって芸術を追求し、実技を磨く学生たちとともに学ぶことが理想的な環境となる。そして実技系の学生たちにとってもこの新専攻の学生たちとのコラボレーションによって、互いの相乗効果が生み出されることが期待される。100年間の伝統に培われた実技教育を継承しつつ、その上で実演を伴わずに音楽で社会に貢献する次世代の音楽人を育てる──「音楽の総合大学」としての本学101年目の挑戦である。


新専攻リーフレット

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新専攻リーフレット

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ミュージッククリエーション
リーフレット表
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ミュージックコミュニケーション
パンフレット表紙
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