創立100周年記念プロジェクト

創立100周年を迎える2015年(平成27年)まであと5年となったこの年、中村孝義理事長は年頭挨拶に「2011年より2015年までの5年計画で大阪音楽大学を、ひいては音楽そのものを改めて社会に広く、また強くアピールし、社会におけるその存在感を揺るぎなきものにするために様々な施策を展開していきたいと考えている」と述べた。それは創立者永井幸次が遺した建学の精神を真摯に見つめ直し、深く読み解く中で見出した5つのテーマに沿って5年間、様々な記念行事を行うというものであった。

【建学の精神】
  世界音樂 並ビニ 音樂ニ関連セル諸般ノ藝術ハ 之ノ學校ニヨッテ統一サレ
  新音樂 新歌劇ノ 發生地タランコトヲ 祈願スルモノナリ


この中のキーワードをたどり、各年記念行事のテーマが次のように決定した。
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(Muse vol.218 2011年6月特別号掲載)
 

各年度、このテーマにちなんで、①講演等、②オペラ公演、③大学定期演奏会、④学生オペラ、⑤記念重点演奏会が選ばれた。2011年7月、本学吹奏楽団の世界吹奏楽大会(WASBE)2011年度国際大会への参加でこの一大プロジェクトがスタートする。100周年に向けて記念のロゴを作成、また新たに「ちから強く生きる“音楽人”を、ここから」というスローガンも決定した。

プロジェクト公演はそれぞれに意義のあるものであったが、特にオペラ公演は2011年(平成23年)のブリテン《ねじの回転》、2014年(平成26年)の鈴木英明《鬼娘恋首引》/ブリテン《カーリュー・リヴァー》が文化庁芸術祭大賞に輝き、2015年(平成27年)ヴェルディ《ファルスタッフ》も同じく芸術祭優秀賞(洋楽は大賞なし)を受賞、また2013年(平成25年)のブリテン《ピーター・グライムズ》は三菱UFJ信託音楽賞を受賞するなど、まさにこのプロジェクトの目的を果たし、本学の存在を社会にアピールするに余りあるほどの成果を上げた。記念重点演奏会とされた世界吹奏楽協会(WASBE)2011年度国際大会での本学吹奏楽団の演奏が国際的に高い評価を得たことも特筆すべきことである。

クラシックから邦楽、ジャズ、ポピュラー、電子オルガンやミュージカル、ダンスパフォーマンスまで、本学が創立以来100年の総力を込めた5年にわたるこの一大プロジェクトを終えた今、永井幸次が願った「諸般ノ藝術ハ 之ノ學校ニヨッテ統一サレ 新音樂 新歌劇ノ 發生地」としての姿を示し、関西唯一の音楽単科大学としての存在意義を追求することができたのではないだろうか。



 

 2011年度 創立100周年記念プロジェクト

テーマ:「世界×音楽」(世界の表現形としての音楽)
   世界表現としての音楽の現代的可能性を考える
 
① シンポジウム・講演
 
2012年1月13日「人間にとってアートとは-生きる源-」
聖路加国際病院理事長・名誉院長 日野原重明 
 
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2012年1月31日「世界表現としての音楽(芸術)の現代的可能性を考える」
大阪音楽大学学長 中村孝義×前大阪大学総長 鷲田清一 
 
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② オペラ公演
 
7月8、10日 サマー・オペラ モーツァルト・シリーズ《魔笛》
指揮:大勝秀也 演出:岩田達宗(現・客員教授)
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10月14、16日 20世紀オペラ・シリーズ ブリテン《ねじの回転》(年表掲出)
指揮:十束尚宏 演出:岩田達宗(現・客員教授)
平成23年度第66回文化庁芸術祭大賞受賞
 

③ 大阪音楽大学定期演奏会
 
12月2日 大阪音楽大学第54回定期演奏会(ザ・シンフォニーホール)
指揮:小野田宏之教員
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④ 学生オペラ
 
2012年2月18日、19日 第23回大阪音楽大学学生オペラ モーツァルト《魔笛》(年表掲出)
指揮:小野田宏之教員 演出:中村敬一教員
 

⑤ 2011年度記念重点演奏会-世界表現としての音楽-
 
7月6、7日 世界吹奏楽大会(WASBE)2011年度国際大会出場(台湾・嘉義市)
指揮:北野徹教員

 
2012年3月4日 大阪音楽大学第43回吹奏楽演奏会(ザ・シンフォニーホール)
指揮:丸谷明夫教員 北野徹教員
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11月25日 第34回邦楽演奏会「アジアの中の日本音楽 世界の中の日本音楽」
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尺八のパートをルネ・シュメーがヴァイオリンで、ジャン・ピエール=ランパルがフルートで演奏して一躍世界に知られるようになった宮城道雄《春の海》。演奏会のテーマ「アジアの中の日本音楽 世界の中の日本音楽」に因んで、尺八、ヴァイオリン、フルートと箏による3つのヴァージョンで演奏した。