橋下府政・市政改革の芸術文化への影響

2008年(平成20年)1月27日に行われた大阪府知事選挙で、弁護士・タレントの橋下徹が初当選を果たした。2月6日に大阪府庁に初登庁した橋下知事は「大阪府財政非常事態宣言」を行い、財政難の問題に最優先で取り組む姿勢を見せ、全ての事業、出資法人、公の施設についてゼロベースで見直すとした。知事直轄の府政改革プロジェクトチームは4月11日、財政支出削減を目指す「財政再建プログラム試案」を公表。これを原案として、6月5日には、財政再建(「財政再建プログラム案」)、政策創造(重点政策案)、府庁改革などの方針を掲げた「『大阪維新』プログラム案」が公表された。これに対し、議員や関係各方面からの種々の意見や多数のパブリック・コメントなどが寄せられ、府民的な論議や様々な運動が巻き起こることとなった。

橋下府政は、「財政再建プログラム案」において平成20~22年度までの3年間を集中改革期間と定め、歳出削減策の1つである文化関係事業の見直しとして、大阪センチュリー交響楽団への補助金削減、文化施設の抜本的見直し、芸術文化振興補助金の重点化、大阪文化賞の再構築などを府案として掲げた。この財政改革が推進され、大阪文化賞・大阪芸術賞などの5つの賞は2009年度(平成21年度)より「大阪文化賞」として一本化されたほか、大阪府立青少年会館の廃止(2009年6月)、大阪フィルハーモニー協会への補助金・貸付金廃止(2008年度末)、大阪センチュリー交響楽団への運営補助金廃止(2010年度末)などが決定された。

2011年(平成23年)10月末、「大阪維新の会」の代表でもあった橋下知事は大阪都構想などの政策実現を目的として任期を残し辞職。平松大阪市長任期満了に伴う大阪市長選に出馬し当選、同年12月19日に大阪市長に就任した。府知事時代に続き、橋下市長として市政改革を大きく推し進め、この改革の一環として市直轄の運営であった大阪市音楽団は廃止され、2014年(平成26年)4月に民営化。文楽協会と大阪フィルハーモニー協会への運営補助金は2014年度(平成26年度)末で全廃となった。なお、市は2015年(平成27年)5月より、ふるさと寄附金(ふるさと納税)を活用して芸術・文化団体を支援する新制度「なにわの芸術応援募金」を開始している。