音楽博物館開設

2002年(平成14年)4月、音楽研究所、楽器博物館、校史史料室、録音室の4機関を統合し、新たに「音楽博物館」を開設することとなった。

これまで独立組織として稼動してきた4機関であったが、21世紀に向けてさらなる発展を図るには、各機関単独ではそれぞれに一長一短があった。音楽研究所は1966年(昭和41年)設立の「音楽文化研究所」が水川記念館(現・K号館)開館の際に新設された5研究室とともに1981年(昭和56年)に発展改組されたものだが、1998年(平成10年)3月末をもって実験系の4研究室(音楽音響研究室、音楽教育研究室、音楽生理研究室、現代音楽研究室)が研究を終結、資料系の2研究室(音楽文化史研究室・民族音楽研究室)を残すのみとなっていた。また研究に重点を置くことで、日常的な資料の一般公開には対応しづらい状態が続いていた。一方、楽器博物館は1967年(昭和42年)に水野佐平寄贈の邦楽器コレクションを主体に「楽器資料室」を設置以来、徐々に収蔵楽器を増やし、一般にも無料で公開してきた。しかし博物館としての研究機能を充分に果たすことができないままであった。校史史料室は1989年(平成元年)に設立以来、本学の様々な記録資料を数多く収集していたが、音楽文化史研究室の収集資料との重複も見られた。録音室は音楽音響研究室の研究施設として作られたが、当該研究室の閉室に伴い、本来の活動が停止し、もっぱら教員や学生への録音サービスが中心業務になっていた。

まずは音楽研究所と楽器博物館の統合計画が浮上、2000年(平成12年)より両機関で合同会議を開いて討議を重ねたが、途中、校史史料室と録音室も統合の対象となった。状況を改善し、時代のニーズに対応し得る組織となるには、統合によって各機関の持つ利点及び研究成果・収集資料を共有することで互いを補い合う必要があるとの結論に達した。録音室については録音サービス業務を別部署が管理の上、資料のみ統合することとした。この資料は昭和30年代からの本学の演奏活動記録で重要な校史史料であり、朝比奈隆、人間国宝菊原初子の両名誉教授の指揮、演奏などの記録も含む関西音楽史としても貴重な資料である。

統合を見据えて同年11月には両機関初の合同企画として、音楽研究所第1回公開講座「懐かしいリードオルガンの世界─その存在意義について」を楽器博物館で開催した。楽器博物館第51回レクチャー・コンサートも兼ねたものであった。(年表2000年11月3日参照) 翌2001年(平成13年)、教員対象に新組織にふさわしい名称を公募した結果、「音楽博物館」と決定。この新しい名称のもとに、学内外に開かれたサービス機関としての機能を強化し、積極的な情報発信及び種々のレファレンスにも対応していく学内唯一の研究機関として再スタートすることになった。尚、この統合により、各機関がそれぞれに管理していた膨大な資料を一元管理できるようになり、学内で進められていた教育研究データベースの構築により、音楽博物館の資料も2004年度(平成16年度)よりオンラインによるデータ検索が可能となった。



音楽博物館の概要は以下の通り。

<研究・資料収集領域>
①「世界の楽器と音楽」 ②「関西の洋楽史」(本学校史を含む) ③「関西の伝統音楽」

<所蔵資料>(2002年4月現在)

楽器   約2,300点
書籍   約10,000点
視聴覚資料   約6,000点
関連研究領域の論文等   約5,000点
関西の民俗音楽に関する一次資料   約14,000点
関西洋楽史に関する一次資料   約250,000点
本学の歴史に関する資料   約60,000点



音楽博物館リーフレット (2002年発行)
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