阪神・淡路大震災の復興を象徴する新芸術文化拠点の誕生

バブル景気絶頂期の1990年(平成2年)、阪急電鉄西宮北口駅周辺の再開発計画の一環として〝都市核の中心〟を謳った文化施設の建設を兵庫県が構想。1993年に基本設計が実施されたものの、1995年(平成7年)に起こった阪神・淡路大震災の影響により、施設設計等の一時中断を余儀なくされる。当建設計画が震災復興事業の位置付けで再開されたのが1997年(平成9年)、工事着工は2002年(平成14年)のことであった。

このような経緯を経て、阪神・淡路大震災から10年の節目の2005年(平成17年)、大・中・小ホールを擁するパブリックシアター「兵庫県立芸術文化センター」が竣工。「心の復興、文化の復興」のシンボルとして10月22日に開館した。開館に先立ち、2002年(平成14年)4月に指揮者の佐渡裕が兵庫県芸術文化協会芸術監督(現・兵庫県立芸術文化センター芸術監督)に就任。翌2003年(平成15年)、同センターの開館に向けたソフト先行事業の一環として、全国の優れたジュニア演奏家を集めた「スーパーキッズ・オーケストラ」を結成し、明石市などの兵庫県下3会場で初コンサートを開催した。また2005年(平成17年)9月、同センターの専属にしてアカデミー・タイプの兵庫芸術文化センター管弦楽団も設立(楽員の在籍期間は最長3年)。海外の若手奏者を含む国際色ある新楽団の誕生となった。翌月には同センター大ホールのオープニングコンサートでベートーヴェン《第九》を演奏し(佐渡裕指揮)、デビューを飾った(2008年に日本オーケストラ連盟に加盟、現在正会員)。

同センターは開館の年より、兵庫芸術文化センター管弦楽団を起用した自主制作の「佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ」を例年上演(初演目はフンパーディンク《ヘンゼルとグレーテル》)。趣向を凝らした上演、かつリーズナブルな料金設定などにより、オペラ公演の普及と周辺地域の聴衆の開拓を成し遂げてゆく。正に地域に根差した同センターならではの当企画のほか、著名外来演奏家公演や演劇、バレエなどの実に多彩な上演を展開し、好立地も手伝って地方自治体が運営する公共施設としては異例の興行的成功を収めている。2008年(平成20年)10月、ネーミングライツ売却により、オペラやバレエに適した4面舞台の大ホール(2001席)がKOBELCO 大ホール、室内楽用の小ホール(800席)が神戸女学院小ホールとなり、翌2009年(平成21年)3月には演劇用の中ホール(417席)が阪急中ホールとなった。

 

オープニングコンサート
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佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ
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