付属音楽学園の改革

昭和60年度大学入試に推薦入試制度を導入して以降、付属音楽学園からも成績認定を受けて進学する生徒が出ていたが、大学教育の質的向上をめざすには、大学内部の改革と並行して、入学以前の教育にも力を注ぐ必要があるとして、本学は平成元年度より音楽学園について様々な改革を行った。1957年(昭和32年)の発足以来30年余り、音楽学園は4歳児から高校生までを対象に、ソルフェージュ教育を軸とした音楽基礎能力の系統的な育成を行い、実績を蓄積してきた。その成果を継承しつつ、さらに指導範囲を広げるべく、実技レッスンも併せて行うことにした。

同時にその実技科目について、学習の進度を確認し、その後の勉強の目標や方法について個々にアドバイスを行うため、定期的に「実技診断テスト」を開始する。審査には大学と学園の教員が当たり、学園生以外の受験も可能とした。テストは公開のため、受験生の指導者や保護者も聴くことができる。受験者は自分の指導者以外の評価を知ることができ、他の生徒の演奏を聴くことで、自分の到達段階を客観的な基準の上に置いて見ることができる。毎年数回実施するが、1989年(平成元年)6月11日の初回に行ったピアノ、ヴァイオリン、管楽器のテストには5歳児から高校3年生まで215名の受験があった。

また、より良い音楽教育のためには、学園内外に数多くの優秀な音楽指導者が必要である。本学は指導技術の交流・向上を図り、学園と学園外の音楽指導者の連携の輪を広げる第一歩として、同年8月1~3日、第1回指導者研修会を開催した。初年度は「ピアノ指導者のための一般研修」と「音楽学園認定指導員資格取得のための第1期スクーリング」(ピアノ・幼児のためのソルフェージュ)を実施。前者は受講資格を問わず、後者は本学卒業生と本学園生徒の指導者を対象としたものである。“音楽学園認定指導員”とは、一定の研修を受け、その指導力が音楽学園としての推薦に相当することを証する資格で、当年度よりこの制度を発足させた。指導員の資格を得るには第1期と第2期のスクーリングを受講し、その間に実習・見学などを行い、報告書を提出後、資格試験に合格することを条件とした。第1回指導員認定試験は2年後の8月4日であった。

翌1990年(平成2年)には「音楽基礎科目到達度テスト」をスタートさせる。これは本学への入学希望者を対象に、ソルフェージュ・楽典・副科ピアノ(電子オルガン含む)の3科目について学習の到達度を調べるためのテストで、所定の成績を収めた科目については、入学試験の際に受験を免除するというもの。受験生はそれだけ専攻科目に専念することができる。平成4年度からの新入試制度を前に、1990年12月27日に第1回を実施、初回認定者がその科目の試験を免除されるのは、翌年11月実施の推薦入試からとした。以後、この到達度テストは、毎年3回実施している。