三笠宮崇仁殿下ご来校

三笠宮崇仁殿下ご訪問との一報は、水川学長の知人で作曲家の武内秀介を介してもたらされた。ご来校になる2週間あまり前の6月20日のことであった。武内は殿下にギターをお教えしており、一昨年前に彼が殿下のアイススケートのために作曲した《雪間の若草》という曲を本学管弦楽団が演奏、録音し、それを使って滑られた殿下がその年のアイススケート・ダンスで第1位になられたというご縁があった。

そして実は水川自身もそれ以前に二度、殿下にお会いして親しくお話しする機会があり、その折にご来校を願い出たところ、殿下が「是非参りましょう」と快諾くださっていた経緯があった。殿下はその時の約束を果たすため、オリエント学会にご出席される前に本学に寄ろうとおっしゃられたのである。

急遽決まったご訪問に、水川はあわてて小橋学部長、深川事務局長らと協議し、限られた時間の中、殿下をお迎えする準備を整えた。警察、豊中市役所にも連絡したが、ご通行になる道路の一部舗装が傷んでいたのを、本学が言うまでもなく、市がいち早く直してくれたというエピソードが残っている。

当日の7月6日、12時半に新幹線でご到着の殿下を水川らが新大阪駅のプラットホームで出迎えた。本学に着かれた殿下はF号館4階の合同演奏室で本学役員、教授ら70名とご会食ののち、楽器博物館、楽理研究室などを見学され、続いて箏合奏室で菊原初子教員指導の箏専攻学生による《六段の調》の合奏をお聴きになった。その後、付属音楽高等学校のML(ミュージック・ラボラトリー)装置による授業を参観されたあと、永井幸次前学長の胸像横に若杉をお手植えになられ、本学ホールでの特別演奏会に臨まれた。ちょうど前期試験の最中であったため大学の学生は出演できなかったが、高校生と教員が演奏を行った。

付属音楽幼稚園にも立ち寄られ、園児たちによる1日早い七夕祭りを楽しまれた。この時の模様はNHKをはじめ、各局テレビのニュースで報じられた。お帰りの際は国旗を手にした園児たちが正門まで万歳をしてお見送りをし、4時間のご視察を終えて学会に向かわれたという。大学と幼稚園にお手植えくださった殿下のお印である若杉は、今も青々とご訪問の跡をとどめている。そして現在ご存命の皇族最年長でいらっしゃる三笠宮崇仁殿下は、本学と同じ大正4年のお生まれで、2015年(平成27年)12月、奇しくもともに100歳をお迎えになるのである。

 

 

 

 

新大阪駅にご到着の三笠宮崇仁殿下

画像

会食後、大学の概況説明をする水川学長

画像

 

 

楽器博物館では水野佐平顧問の箏のご説明や、武田邦夫教員のクラヴィコード、チェンバロ、ピアノの弾き比べをお聞きになった。

水野佐平顧問の説明をお聞きになる殿下

画像

ピアノの内部構造にも興を示されたという

画像

 


楽理研究室では武田教員のご説明でピアノ演奏におけるミスを機械がチェックする装置「ティーチング・マシン」などをご視察。殿下の前で《六段の調》を演奏した学生は、「日曜日も集まり練習して臨んだが、大変緊張した」と自治会新聞に投稿している。

ティーチング・マシンをご視察

画像
箏専攻学生の合奏《六段の調》をお聴きになる殿下

画像

 

 

高校で視察されたML装置(ミュージック・ラボラトリー)とは、親オルガンと子オルガンがヘッドフォーンを通じて連絡され、集団の中での個別指導をするためのもの。

ML装置による高校の授業をご参観

画像
永井前学長の胸像横に若杉をお手植え

画像

 

 

A号館前にて記念撮影

画像
※画像をクリックすると拡大します
特別演奏会をご鑑賞

画像

 

 


演奏会幕開けの「大正四年豊秋に…」で始まる高校生たちの校歌合唱を、同じく大正4年のお生まれである殿下は興味深くお聴きになっていたという。

田原祥一郎教員

画像

特別演奏会プログラム

画像
※画像をクリックすると拡大します

 

 

正門前でお見送りをする高校生たち

画像
園児たちにお褒めの言葉も頂戴したという

画像