大阪フィルの創立30周年記念とベートーヴェン没後150年記念チクルス

1977年(昭和52年)、大阪フィルハーモニー交響楽団はその前身である関西交響楽団の創立から30周年を迎えた。朝比奈隆指揮による関西交響楽団の第1回定期演奏会が行われたのが1947年(昭和22年)4月26日(大阪朝日会館)。その30年後の同日、大阪フィルは朝比奈の指揮による第139回定期演奏会を楽団創立30周年記念の冠を付して開催(フェスティバルホール)。この定演はベートーヴェン没後150年記念チクルスの第1回を兼ねた公演でもあった。演目は交響曲第1番と第3番「英雄」の2曲で、1曲目の演奏を終えた後、朝比奈は舞台上でドイツ連邦共和国総領事より同国の功労勲章大功労十字章を授与されている。これは朝比奈の日独文化交流における多大な功績に対し授与されたもので、満場の聴衆から盛大な祝福の拍手が贈られた。大阪フィルはこの後、5月12日、9月28日、11月29日、12月29日の公演で交響曲全曲演奏を主軸とした全5回のチクルスを行った。また7月4、5日の両日、同会場にて朝比奈と大阪フィルは大阪新音公演として同協会のフロイデ合唱団等と《ミサ・ソレムニス》を演奏している。

創立30周年記念の一環として、8月18日には市民の側から楽団を祝福する意向により“みんなで祝おう大フィルまつり”が開催された(フェスティバルホール)。同団友の会の世話人代表であったSF作家の小松左京による企画で、関西の芸能人が無報酬で出演、来場者の「ノー・ネクタイ、ジーパンOK」をキャッチ・フレーズとした、当時としては異例の大衆的なコンサートであった。朝比奈をはじめ大阪フィル団員も軽装で演奏した。浜村淳や末広真樹子らの司会により、同団の30年の歴史をスライドで回想。笑福亭仁鶴がかつらをつけて同団を指揮し、満席の会場は大いに沸いたという。この市民一体型のユニークなコンサートにより、同団の聴衆の層は更に広がったとされる。

また、ベートーヴェン没後150年記念チクルス協賛として、9月12、13日には園田高弘によるピアノ協奏曲連続演奏会が開催された(フェスティバルホール)。朝比奈指揮の大阪フィルとの協演。日本におけるベートーヴェンのピアノ協奏曲連続演奏は、過去にエミール・ギレリス等の外来演奏家の例がわずかにあったのみで、園田の演奏は邦人初の快挙となった。




大阪フィルハーモニー交響楽団ベートーヴェン没後150年記念チクルス
チラシ・プログラム


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ドイツ連邦共和国大功労十字章をドイツ総領事より授与される朝比奈隆
(昭和52年5月1日 関西音楽新聞)

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“みんなで祝おう大フィルまつり”(昭和52年9月1日 関西音楽新聞)

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“みんなで祝おう大フィルまつり”プログラム

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園田高弘 ベートーヴェン ピアノ協奏曲連続演奏会
チラシ・プログラム


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