メシアンとケージ

1962年(昭和37年)は大阪の現代音楽界にとってビッグイヤーとなった。両雄のオリビエ・メシアン(1908-1992)とジョン・ケージ(1912-1992)が相次いで来日し、演奏会を開催したからである。

両者を対比させてみると面白い。たとえば、メシアンは鳥の声、ケージは環境音と、両者とも自然の音響を深く探求することによって創作活動を展開したのだが、二人のアプローチは全く異なっていた。メシアンが鳥の声を採譜して素材として芸術作品を創造した一方、ケージは、時間枠を区切りその内部に生じる音を作品とする《4'33"》を提案した。メシアンはアカデミックな世界に生き、ケージは専ら在野で活躍した。メシアンは教会オルガニストとしても活躍し、ケージは禅に傾倒した。メシアンはフランス人。ケージはアメリカ人。メシアンは西洋音楽史の最先端に立ち、ケージはアメリカで新しい音楽を発明した。

もっとも、メシアンの複雑な音組織を聴き取り、高度な音楽理論を理解することは極めて難しい。また、児戯と間違うようなケージの音楽が深い思索に基づいたものだということを悟るのも容易いことではない。ケージの京都公演に立ち会った音楽学者の谷村晃は、笑いながら聴いた人々がいたことを伝える。札幌公演では怒り出す人々もいたらしい(前川公美夫『北海道音楽史』)。なお、谷村はケージの音楽を「1962年のいまを象徴するショッキングなできごとであることは、たしかである」(『朝日新聞』)と総括したが、当時世界は冷戦の最中にあり、米ソが激しく対立して一発触発の危機にあった。


 

7月16、17日 メシアン講演会・ピアノ演奏会

講演会 演奏曲

画像
※画像をクリックすると拡大します
ピアノ演奏会 演奏曲

画像
※画像をクリックすると拡大します

 

  

オリヴィエ・メシアンとイヴォンヌ・ロリオ(プログラムより)

画像




10月12、17日 ジョン・ケージ&デイビッド・チューダー演奏会

京都公演 演奏曲(SACジャーナルNo.27より)

画像
※画像をクリックすると拡大します
大阪公演 演奏曲(プログラムより)

画像
※画像をクリックすると拡大します

 


大阪公演 英字プログラム

画像
※画像をクリックすると拡大します